常識を疑う大切さ。コンサートで拍手は本当に必要なんだろうか?

コンサートに行きます。曲が終われば皆拍手をする、それがいわゆる常識だと思うのですが、そういうわけでもないという話を先日体験いたしました。

拍手。もちろんたいていの皆さんがしています、しかしつい先日のコンサートの客席で見かけたお祖母様は、拍手をしていませんでした。そう、全く拍手をしなかったのです。その代わり、出演者に向かって「手を振っていた」のです。両手を高く上げ、ふわふわ、と。

これを後ろから見ていた私は、最初はギョッとしましたが、いやこういうのもいいね!と思いました。

拍手という行為は、クラシックの音楽会では、素晴らしい演奏をしてくれたことへの感謝の気持ちからするケースがほとんどですが(誰ですか、単なる惰性で叩いてるんだとか言っている人は)、手を振ってその気持ちを表現するのも悪くないな、と思いましたね。

少しさわやかな気持ちになって、わかる、わかるよおばあさん、と背中にそっと語りかけながら会場を後にしました。ただ、ホールの全員が拍手せずに手を振っていたら、それはそれで不気味ですね。光景を想像したらちょっと怖くなってブルっと震えました。

いずれにしても、音楽会はこうすべき、とかそういう常識とか慣習に縛られるのはよくないと思います。こうあるべき、という作法が先行していくとどんどんと窮屈になっていってしまいます。コンサートではこう振る舞うべき、とか、昔はどうだったこうだった今の客はなんとかかんとか、とか言ううんちくも、楽しいかもしれませんが、私たちは常に新しいことにオープンな気持ちでいたい。