グラモフォン・クラシカル・ミュージック・アワード2018発表

先週末に、イギリスのグラモフォン誌がクラシカル・ミュージック・アワード2018を発表しました。

全部で10の部門に分かれていますが、そのうちの器楽賞をとったのはヴォロドス。アルカーディ・ヴォロドス。ロシアからお越しの大物君。今年46歳。身体的、物理的にも大物です。

ヴォロドス日本にはしばらくご無沙汰していると思います。長い間日本でリサイタルをしていないと思うのですが、今後ふたたび来ることはないのでしょうか(ちなみに所属事務所は同じく日本に来ない大物ソコロフと同じとこですよ。だから来ないのか?というのは考えすぎでしょうか)。

ピアノ・リサイタルというものが大ホールでなかなか出来なくなってきたこのご時世、大ホール満席のお客様に満足して帰っていただける可能性のある数少ないピアニストの一人だと思うのですが、なかなか日本に来てくれません。ギャラが高すぎるのか。美男子というわけでもないから(失礼なやつ)そういう意味でも集客が見込めないか・・・。

強烈なテクニックを持っていて、ソニーからわりあい定期的にCDを出しています。モンポウが出たときはさすがにえっ、と思いましたけれど(静かな曲ばかりだから)、そういう方向に今気分が向いているのでしょう。

今度受賞したアルバムもブラームスの小品集です。短い抜粋ですが、少し演奏も聴けますよ。

そう、ブラームスの小品もまた、どちらかというと内向的な曲です。テクニックを前に打ち出すこんな感じ↓の曲ではありません。ヴォロドスというと昔のイメージでこういうのに目が行っちゃうんだけどね。

ウルトラ高度なテクニックを持った人がウルトラ高度な曲を弾く!野獣マツーエフ!みたいなのも5年に一度ぐらいならいいですけれど、だんだん胃が弱くなってきている中年としては、静かな曲を、暖炉の前で(妄想)、ウィスキーグラスを持ちながら(妄想)、リラックスして聴きたいものだね。

ちなみに今シーズン(なのかな?)はこのプログラムでリサイタルをしている模様。

R. SCHUMANN Kinderszenen op. 15
F. MOMPOU 12 Pieces from Musica Callada
*****
F. SCHUBERT Sonata in B flat major D 960

うん、いよいよヴォロドスもそういう境地に入りつつあるのだね。素晴らしい事です。トルコ行進曲やら強烈なラフマやらは、思い出したように時々弾けばいいよね。たぶん。