ピアノを動かすことの大変さを知りましょう

グランドピアノを梱包することは非常に難しく、専門の業者でなければ出来ないのですが、意外と知られていないのではないかと思います。

スタインウェイのD型と呼ばれるコンサートグランドの重さはご存知ですか。約480キロです。ほぼ0.5tです。重いです。これを運ぼうと思うと、相当な苦労が必要になります。バラして、梱包するだけですが、それがめちゃ大変。ピアノ運送のプロでなければ出来ません。

そのプロでも、梱包してトラックに積み込むまでに3,4人でとりかかったとしても30分ぐらいはかかります。足を外して、蓋や蓋のつっかえ棒が動かないように固定して、毛布で楽器全体をくるんで、楽器に傷がつかないように注意しながら紐で縛って、木製の枠の上に載せてさらにそれを縛る。取り外した脚とかは、それも傷がつかないように梱包して別の箱に入れておく。

ああ大変だ大変だ。

以下にサンプルとして動画を貼り付けておきます。早回しになっているので3分ぐらいで終わります。日本ではこういう風には梱包しませんが、まあやらなければいけないことはだいたい似たり寄ったりでしょう。この動画では2人でえっさほいさとやっていますが、ものすごくたくさんの工程があることがわかりますね。

ちなみにコンサートグランドピアノを梱包して移動しようと思ったら数十万円はかかります。それもそうだろうな、と思われるのではないですか。

しかも、分解~梱包の過程で、あるいは移動中に恐怖のあれ、つまり「階段」があったりする場合は、紐を肩からかけてピアノに回して、たった二人でうりゃ~!っと持ち上げたりするわけですから、もうそれは涙がビュッと出そうなぐらい重いでしょう。辛いです。

ピアニストは楽器を選べない、その場所にある楽器を使って演奏しないといけない、とかいいますけれど、そもそもその楽器をそこに用意するためには大変な苦労がある、ということはすべてのピアニストには忘れてほしくないな、と思います。

ピアニストは、多くの人の力添えがあって初めて、ピアノという楽器を演奏できるのです。

なんちゃって!!説教臭くなっちゃいました。それでは今夜もおやすみなさい。