ユジャ・ワンの敏捷性を物語るに最適な映像がこの熊ん蜂の飛行なんですよ。いやー、いつみても激的にやばい。
熊ん蜂の飛行っていうと、ピアノで弾くのはだいたいラフマニノフが編曲した穏当な?ものです。たとえばこれとかをお聞き下さい。演奏はキーシン。
まあたしかに凄い。いやしかしキーシン、うまいな・・・。
おっと、そういう話ではなかった。ユジャ・ワンです。ユジャ・ワンの弾く熊ん蜂の飛行は凄さの階層が違うんですね。ユジャ・ワンが弾くのはシフラが編曲した変態バージョンです。
これ。
こっちにもあります。映像の質はこちらの方がいいです。
出だしからしてもう私ら椅子から落っこちちゃうんですけど、両手のオクターヴになってるんですよね。そして楽譜を見れば、この曲の不可能性がはっきりわかるんです。ユジャ・ワンなら弾けるんです。これ完全に身体が脱力していないとひけませんよ。ちょっとでも固くなったら弾き通すことは出来ません。手が痛くなって、すぐに弾いてられなくなりますから。
もちろん本家シフラの演奏も残っています。残念ながら映像はありませんが、楽譜と一緒に見られるようになっているので、ぜひこちらも御覧ください。
・・・こういう編曲をしようと思ったシフラがまず相当いかれていますが、それを汗ひとつかかずに演奏してみせるユジャ・ワンもとち狂っていますよ(ユジャ・ワン以外にもヴォロドスやカツァリスなどの映像もありますよ。お暇な方はそちらも観てくださいね)。まあしかしユジャ・ワン最高だと思いますよ。もっとキレッキレの演奏を聞かせてくれよ。
ネット社会の現代の、トップを行く変態ピアニスト、それがユジャ・ワンです。YouTube再生回数ではYouTubeクイーンのヴァレンティーナ・リシッツァなんかに負けているかもしれませんが、申し訳ないですが、リシッツァなんか足元にも及びません。ユジャ・ワンの圧倒的な雑技団的「超々」超絶技巧で一本勝ち(断言)。でももうすぐユジャ・ワンのも30歳になるんですよね。そろそろこういうのは弾けなくなってきているかな・・・?