楽譜の未来

楽譜って、完成しています。

いわゆる五線譜が完成してから何百年か経つわけです。例えばバッハも既に五線譜を使っていました。ピアノを勉強する皆さんが苦労したインベンションの楽譜、あれは実はト音記号は使われていなくて、みんなの大嫌いなハ音記号だったりするのですが、それにしたってともかく五線譜ですよ。

楽譜を開ければ、左、右ページにそれぞれ音符があって、次から次へととめくっていく。

それが今、ようやく変化を遂げようとしている。

iPadなどのデジタル楽譜です。

紙が画面に置き換わっただけでなにも変わっていない、と仰りたいでしょう。まあそうですね。基本的にはそうですよ。

でも既にここで激的に変化が起こっている。「譜めくりが不要になる」という点です。譜めくりというのはあくまでも自分ではできず、他人に頼むものですから、うまくめくってくれるか絶望の谷底に突き落とされるか?それはめくってもらってはじめてわかるのです。

個人的にも、譜めくりさんにしてやられたこと(めくってもらえなかった)、また、自分が譜めくりをしてしてやったこと(めくりそこなったこと)があります。

信頼できる専属の譜めくり人をつれて歩くわけにもいきません。デジタル楽譜のおかげで、譜めくりは不要になったのです。

そしてさらにもっと、ピアノの楽譜には未来があると思うんですよ。それがスクロール型の楽譜。演奏をスタートすると、曲のスピードに合わせ自動的に上に上に、スクロールしていく楽譜です。自分の演奏に合わせスピードを調整してくれる、音を聞き取ってスピードを調整してくれるオートスクロール楽譜ならなおよい。

こうすれば、今のデジタル楽譜でさえも必要な「めくり」の作業は不要になり、ピアノ譜はついに最終形態へと進化することになるのである!!(ただし大きめの室内楽以上の楽譜、オーケストラやオペラのスコアの場合、スクロール楽譜は無理。)

いや、暗譜で弾きなさいよって?記憶力を頼りに演奏するのは、もちろん記憶力が優れた人なら問題はあまりないのかもしれませんが、そこまでする必要があるか?デジタルで譜めくり不要なら、デジタル楽譜、使えばいいじゃないですか。

暗譜をすべき理由として「楽譜を離れた方が自由に演奏できる」と言われたものですが、果たしてそんなことに意味があるのか疑問。

・・・というアイデアを、ディアベリ変奏曲の楽譜を切り貼りしていて思いつきましたが、だれかこれ、現実にしてくれないですかね・・・。