ピアノの形はもっと自由になれるのか

ピアノの基本的な形は、もう長い間、百年以上にわたって、変化していませんね。

そもそも鍵盤の形が完成していて、もうそこは変えようがないということを考えると、あまり劇的な変化は臨むべくもありません。これからも、ちょろちょろと細部が変わるぐらいで、基本的にはあまり変わらないのでしょう。

変化球としてFAZIOLIが少し長いピアノを最近出してきた、とか、ベーゼンドルファーが時々凝ったデザインのピアノをつくっていたり、ヤマハやカワイがプラスチック製の透明のピアノを作ったりしている、ぐらいでしょうか。

そしてそういうデザイン系(と表現していいのかどうか)のピアノは、量産されません。オートクチュールのようなものですよね。記念に一台だけ作りました、とかそういう感じで、えーっと、来年2月から月10,000台ずつ生産しまーす、購入希望者はここから連絡をください云々、とかそんな風に喧伝されたり、量産されたりするものではないですね。

その点、デジタルピアノはもう少し、柔軟にデザインをできます。そしてこちらは量産も可能。単価が安いし場所もそれほど取らないから、購入者もそこそこ見込めるはず。

スピーカーから出てくる音も少しずつアコースティックのグランドピアノに近づいてきています。これからさらなる改良が進むでしょうから、もっと音質、鍵盤のタッチも向上するでしょう。日本の狭いおうちにぴったりですよ。

なので、ローランドがいま募集しているデジタルピアノの新しいデザインコンペも、いろいろなデザインが出てくれば面白いな、と思います。

ローランド・デジタル・ピアノ・デザイン・アワーズ:
http://www.roland.co.jp/promos/piano_design_awards/
結果発表は来年(2016年)1月21日だそうです。

賞金が50万円、というのは・・・ひょっとして、もしかして、あるいは、なんというか、その、えーと、もう少し(もう一桁)、あってもいいのでは?と、わたしなんかは思ったりもしたのですが、ピアノの業界もそれほど景気がいいわけではありませんし、あまり大きなことは言えませんね・・。