ローラン・カバッソのJTアートホール公演、白熱レポート(1/2)

素晴らしい演奏に感謝

昨日は、ローラン・カバッソのJTアートホール公演にお越し頂いた皆様、ありがとうございました。無事に公演は終わりました。いや、無事という言葉はふさわしくありませんね、「素晴らしく」終えることができました。写真を取り損なったは舎員Z君のミスです。広報担当として深くお詫び申し上げます。なんだかよくわからないイメージ画像ですが、ご容赦下さい。

15:20頃に会場入りをしてからずっと練習をしていたカバッソさん。18時前に舞台から降りてきてびっくり。自分がそんな長い間練習をしていたとは気が付かなかったそうです。話をしていて、うむむ、まずいな、と思いました。これはかなり緊張しているようだ。

音楽家とはいえ人の子です。本番前は緊張しますよ。特にこの公演はNHKのラジオ収録が予定されているので、普段よりさらに緊張しているように見受けられました。

最近(音楽ではなくスポーツのことでしたが)どこかで読んだインタビュー記事に、日本では「練習で出来ないことは本番では出来ない」と教育するし事実そうかもしれないが、欧米人は練習でうまく行かなくても本番にとんでもないパフォーマンスを発揮することがある、とありました。

結論を先に申しますと、そのような公演でした。昨晩は。

緊張をどうほぐせるか。周りに出来ることは。

練習を聞いていて、これは緊張しているな、という感じがひしひしと伝わってきていたのです。

指が空回りしている。もつれている、間違った音を山のように量産する(・・・あまりこういう内幕を暴露してはいけないかもしれませんが)、など、こちらもひやひや。舞台上で練習する本人も相当な負担を感じていたでしょう。

こういう時に、周りが出来ることは何でしょう。

これが正しいという答えはありませんが、少なくともこっちが慌ててはいけません。こちらが焦った雰囲気を見せると、ますますカッ!と逆上してしまうかもしれないからです。なので、私たちは極力平静を保ちました。

テンポ、早すぎなかったかな、と練習後に言われたので(実際はやや走り気味でしたが)大丈夫だと伝えました。でも、今のテンポがマックスじゃないかなとも伝えました。

ここで、(カリスマ指揮者)セルジュ・チェリビダッケの言葉のようなことをカバッソさんが言い出しました「響きのあるホールではテンポをゆったり取ったほうがいいんだよね」、なのでそこは強く同意し、このホールは響きがあるからゆっくり目でもいいかもねとやんわり強調して伝えました。

さらには、普段からカバッソさんが言っていること、「ピアノは背中で弾くんだよ、でも緊張するとどうしても自分も姿勢が悪くなって背中が丸まってしまう(注:腰から背中にかけての支えがなくなってしまう)」ということを、言ってみることにしました。「背中で弾け、でしょう?」

少し笑ってリラックスしてくれたようにも思いました。