ガヴリーロフのバッハが結構いい件について

アンドレイ・ガヴリーロフ、懐かしい名前だなと思われるでしょう。俺たちのガヴちゃん、私たちのガヴちゃん。今年61歳。まもなく62歳。チャイコフスキー国際コンクールで優勝して、リヒテルとかに絶賛されてEMIとかドイツ・グラモフォンとかからCDをリリースしていたあのガヴリーロフも、もういい歳ですね。

公式サイト:
http://www.andreigavrilov.com/

なんと言っても名刺代わりなのはバラキレフのイスラメイか。知らない方、以下どうぞ。音は汚いよ。だが素晴らしい切れ味!!久しぶりに聞いたけどやっぱいいっすなあ。これ。石丸電気で自分もCD買ったの覚えてますよ。ロマンチックで、おセンチで、そして音が全てちゃんと鳴っている!!(これ重要)

しかしあるときから我々はガヴリーロフの名前をふっつりと聞かなくなりました。手をけがした、あまりにもわがままになりすぎたから、些細な理由でキャンセルしまくったため干された、など、さまざまな理由が憶測として飛び交いましたが、真相は藪の中です。

最近、ほそぼそと活動しているらしい、という話は聞いたことがあって、何ヶ月か前にもYouTubeで最近の演奏を見たんですよね。ラフマニノフの協奏曲をベルリン・フィルハーモニーで演奏しているんですけど、もちろんオケはベルリン・フィルなんかじゃなくて、寄せ集め?アマオケ?か何かで、レベルも低い。

楽章ごとに拍手する聴衆に向かって何やら話しかけ、ジョークを言ったりする姿を見て痛々しい気分になってしまいました。演奏も、当然と言っては失礼かもしれませんが荒れていて、かつての切れ味はどこへ言ってしまったのか。あのイスラメイの鬼は、二度と帰ってこないのだ、と胸が苦しくなって再生を停止してしまった。

悲しくなってしまうので、あまりおすすめはいたしませんが、一応この動画です。

しかし、先日突如として投稿されたバッハの動画、それが意外によかったのです。平均律のフーガ1曲。ちょっと情緒的にすぎるかなと思いますし、顔の表情にもやりすぎ感がありますが、これがなかなかいいんだ。音質がいまいちなこともあって、生でちょっとだけ聞いてみたいかも、と思ってしまいました。これ↓

ガヴリーロフの栄光は、もうもどってこないのか。