速いことは、いいことだ?

世の中には遅く弾けば弾くほどいい、という人が時々います。「遅いと音楽に深みが出る」という理由だったりしますが、おそすぎる演奏はだいたいの場合、勘違いで終わるか、痛々しくてついていけない。

テンポは遅ければいいというものではありません。一時期のポゴレリチは痛々しかったですね。最近はスピードが上がってきて、実に喜ばしいことです。グールドも極端に遅いテンポで演奏した録音が残っていますが、やはりちょっとついていけない(遅いの大好きという方、ごめんなさい)。

もちろん、その反対に速けれ速いほどいいというものでもありません。ただし、遅く弾くのは誰にでも出来るが、速く弾くのは、指が回ったりしなければ出来ない。ここに決定的な差があります。そう、「遅く弾くのは誰でも出来る、だが速く弾くのは誰にでも出来るわけではない。」

じゃあ速く弾ければ、注目をあつめることが出来る、かもしれない。そんな事を考える人もいるでしょう。

というわけで、アルベニスのアストゥリアス(伝説)を、美女風?のイタリア人が超高速で弾いている動画。御覧ください。全部を弾いているわけではないので、1分30秒ぐらいで終わります。

速いね・・・ま、ジョークみたいなもんですわね(個人的な主観ですが)。そもそもこの曲、ピアノよりもギターで聴いたほうがいい曲に聞こえますしね(これも個人的主観)。ま、結局のところ「ほどほど」がいいんですよね。塩こしょうは適量が一番。

というわけでジョン・ウィリアムス(ギター)の大人な演奏がこちら: