今日12月21日は、現代世界最高のピアニストの一人、アンドラーシュ・シフの誕生日です。写真は今年のBBSプロムスの演奏評、ガーディアン紙のサイトから拝借しました。
私がシフの演奏を初めて聴いたのは、もちろんCDでしたが、チャイコフスキーのピアノ協奏曲(ショルティ指揮)でした。ドホナーニの協奏曲も入っていたよ。
買ったのは中学生の時でした。地元の小さなレコード屋さんでした。まだ私はあまり、というか全然クラシック音楽について詳しくなくて、デッカのベスト100とかを一生懸命集めいてたんですが、そんな中に含まれていたCDだったのではないかと、記憶しています。CDウォークマンに入れて、一生懸命通学中などにも聴いていました。歩きながら聞くと、音が飛ぶんですよね。CDウォークマン。懐かしい。
バッハのインベンションのCD、ゴルドベルク変奏曲のCD、と、CDは増えていきました。いずれもロマンチックな演奏でしたが、その後しばしグールドにハマる私はやがて、シフからしばらく遠ざかってしまいます。「シフは駄目だね」・・・そんなことを偉そうにいっている私の方が駄目でした。
一昨年のオペラシティでのリサイタルに行き、改めて感動しました。シューマンのピアノソナタが聴きたくて行ったのです。シューマンのソナタ第1番は素晴らしい傑作だと思うのですがあまり聴くチャンスがない。なのでシフが弾くと聞きつけて行ってきたのです。
しかしやはり記憶に残ったのはバッハの素晴らしさでした。アンコールで弾いたバッハはずば抜けて素晴らしかった。アンコールだけのために行ったのだ、と思っても良いぐらいに。終演後、招聘元のカジモトの方と話すチャンスがあったので、いかにアンコールのバッハが素晴らしかったかを、引かれるぐらいに熱く語ってしまいました。
シフは1953年生まれですから今日から62歳。これからもますます活躍して欲しいピアニストの一人です。