ピアニストでピアノ教師のセケイラ・コスタが亡くなったという報が世界を駆け巡りました。
セケイラ・コスタの名前を知っている人はどれほどいますでしょうか。日本にはあまり縁がなかったですからね。しかし知る人ぞ知るポルトガルを代表するピアニストで、80歳を過ぎても見事なテクニックで唸らせてきた人でした。享年89。いろいろあってアルトゥール・ピサロの義理の父。大往生と言って良いかもしれません。
80を過ぎてのこの指さばきを見よ。うむ。モシュコフスキ大好き。
これで一つの時代がはっきりと終わったわけですが、それはどういうことなのかといいますと、第1回チャイコフスキー国際コンクールの審査員が全員この世を去ったということなのです。
第1回チャイコフスキー国際コンクールの審査員は誰だったかご存知ですか。これまた実はあまり知られていないでしょう。
広く知られているのはギレリスとリヒテルですか。リヒテルはこのあと確か審査員を一切引き受けなかったということでも知られていますね。あと知っている人ならオボーリン、ノイハウス、カバレフスキー。このぐらいの名前が出て来るかもしれません。
さあ、とくと見給え、これが第1回チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門の審査員全員の名前である!!
Emil Gilels
Arthur Bliss
Jose Carlos Sequeira Costa
George Georgescu
Armand de Gontaut-Biron
Camargo Guarnieri
Lajos Hernadi
Dmitri Kabalevsky
Boris Lyatoshynsky
Frantisek Maxian
Henirhch Neuhaus
Lev Oborin
Fernand Quinet
Sviatoslav Richter
Pavel Serebryakov
Henryk Sztompka
Pancho Vladigerov
多いな。多いですね。知らないな、知らないや。みなさんの知っている名前はどれだけありましたか。セケイラ・コスタはこの当時28歳。ショスタコーヴィチに呼ばれて審査員を務めたそうです。28歳って普通に参加者にいても不思議ではないのですが、それだけ高く評価されていたということでしょうね。
今年もまたチャイコフスキー国際コンクールの年です。開催が危ぶまれている今年ですが、一応なんとなく体裁は整ってきています。しかしこれまでとは様相が変わっていて、ピアノ部門は24人しか参加できなかったり、なぜかブラス部門が出来たりしています。
時代は変わっていくのです(なんか大きく出てるな)。