連日アルゲリッチのネタで恐縮ですが、先月のニューヨーク・タイムズ紙に、若手ピアニスト8人に聞いたあなたの好きなアルゲリッチの録音は、という記事がありました。
ホロヴィッツが神ならアルゲリッチも神です。アルゲリッチはまだ生きていて強烈な演奏を引き続き聞かせてくれていますから、なんとありがたい神なのでしょう。
いや何度強調してもし足りませんが、演奏が好きか嫌いかはともかくとして、アルゲリッチがピアノ演奏史に与えたインパクトはすさまじい。ダダダッと突っ走る強烈なオクターブには純粋に興奮する。もちろんすごいのはオクターブだけじゃないし。
もしあなたの周りに、アルゲリッチを頭から否定する人がいたとしましょう。そういう人は(ここは断言していいと思うのですが)ただの嫉妬か、自分を高く見せたいだけ、人よりもピアノ芸術がわかっている、という態度を見せたいだけなのです。・・・はい。多分。おそらく。
というわけで、8人のピアニストに、あなたの好きなアルゲリッチの録音を教えて、と聞いてみたのがニューヨーク・タイムズ紙。8人の人選も興味深いが、回答も興味深い。以下のとおりです。
カティア・ブニアティシヴィリ=ブラームス「ラプソディー第2番」ト短調
ダニール・トリフォノフ=リスト「ソナタ」ロ短調
ヴィキングル・オラフッソン=J.S.バッハ「パルティータ第2番」~カプリッチョ
ティモ・アンドレス=バルトーク「ピアノ協奏曲第3番」~第1楽章
マハン・エスファハニ=プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番~第3楽章」
ベンジャミン・グローヴナー=シューマン「クライスレリアーナ」
ソヌ・イェゴン=ラヴェル「夜のガスパール」~スカルボ
シモーヌ・ディナースタイン=シューマン「子供の情景」~ 見知らぬ国と人々について
やや不思議な人選なんですが、(ティモシー・アンドレスとかディナースタインとか入ってるのはなんでかな。ディナースタインはもう若手とはいえないと思うんだけどやっぱアメリカ人だからの人選ですかね。あとエスファハニはピアニストではない)、それにしても見事に分かれている。分かれているなあ。ニューヨーク・タイムズの元記事には全部YouTubeも貼り付けられているから、一つ一つ確認したい方は行ってみてご覧になればよいでしょう。
ちなみに私は・・・やっぱチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番ですかね。あとはこのスカルラッティも好き。燃えるぜ。
みなさんが好きなのはどの曲です?