突発的に写真を一枚。
ミケランジェリとリヒテル。共にたいへん気難しいことで有名だったピアニストの写真。談笑していますね。いいですね。何語で会話したんでしょうね。
でもちょっと待って。そこまで無邪気な話じゃないと思いますよ。この笑顔の裏にはもしかしていろんな感情があったと思うのです。どういう感情が隠れていたのでしょうか。二人は何を思い、何を感じ、何を語り、何を語らなかったのか。
どこで読んだか忘れたけど、世の中の大学教授の半数以上は、自分は他の教授よりも有能だと考えているそうです。つまり、ひずみがあるわけです。芸術家だって同じ。自分は他人より有能だと感じている芸術家がたくさんいるでしょう。半分以上ぐらいは。
私は芸術のしもべ・・・とか口にしても、実際はそこまで気高い人はあまりいないと思いますよ。私はもっとうまくなりたい、もっと有名になりたい、もっと喝采を浴びたい、もっと大きな場で演奏したい。それが本音だと思うな。
そしてそれは大事なことなのです。
リヒテルもミケランジェリも、世界最高の音楽家でしたが、若い頃は絶対に、有名になりたいと強く思っていたでしょう。(もちろん、有名になりたい、というだけではなくて、うまくなりたいという気持ちも強くあったでしょう。バランスはともかく両方の感情があったと思います。)ミケランジェリはエリザベート国際で7位でしたけど、それはそれはくやしかったと思いますよ。
日本人に足りない、と言われるのはまさにそこだと思うんですよ。もっと有名になりたい!という気持ち。みなさん。口に出していいんですよ。口にだすことで、自分の思いはさらに強化されますから。韓国人が少なくともコンクールを席巻しているのは、そういう気持ちを前面に出してくるからだと思います。メンタルが強い。さあそれでは、さんはい!「有名に、なりたあい!!」
あいつは上昇志向が強い、とか言われてもいいんです。気にしたら負け。そういうことを言いたい人には、いわせておけ。
さあ、それでは最後にもういちど上の二人の写真を見てください。二人は何を思い、笑顔で写真に写ったのか。
いろいろと考え、学べる点があると思いますよ。