デニス・マツーエフとは誰なのか

昨日はサントリーホールで、デニス・マツーエフ祭りが開催されいていたとのことです。ラフマニノフのピアノ協奏曲4曲を、一日で弾いたと。やばすぎます。

中村紘子さんは確か3番を弾いただけで(だけで・・・)翌日筋肉痛だ、とか言ってたかと記憶しております。4曲やったら筋肉痛どころの話ではないですね。パガニーニ変奏曲もやろう、という話にはならなかったのでしょうか。さすがに堪忍して、ということだったのでしょうか。

でも本当に、4曲弾いちゃうっていうのがそもそも、ありえませんね。ゲルギエフもマツーエフにしか出来ないと言っていたとか。チケットは完売していた模様。賞賛の声がツイッターとかで流れております。

マツーエフ公式サイト
http://matsuev.com/

マツーエフを知らない方のためにご説明いたします。

マツーエフは、1998年に、チャイコフスキー国際コンクールで優勝しました。その時の映像は本人のYouTubeチャンネルにあります。

細いな。いまはたぶんこの5倍ぐらいの大きさがあります。なお奥さんはバレリーナ。ものすごく細いのです。二人が並んでいるところを何年か前に見かけたことがありますが、文字通り美女と野獣。

マツーエフって背もでかいんですよ。引き続き本人のYouTube。新幹線に先週乗っているときの映像見てみてよ。ドアより高い位置に顔がないかい?192センチあるんだって。

あと、エプロンしてるチャーミングな動画も見てみたくないかい?これは先週アップされている。東京のどこかから、しゃぶしゃぶの食べ方を、紹介してくれているみたい。ロシア語だからわからないけど。

先日の山口雅敏インタビューの後半あたりにも話題として出てきましたハッピーバースデーの即興ですが、スピヴァコフ版とゲルギエフ版があります。版って言うか、まあ即興なのでそこまでシリアスに考える必要はないと思いますが。

スピヴァコフ版

ゲルギエフ版

その他チェックしておくべき動画は、セビリアの理髪師、と、ペール・ギュントのあれ。

私は街の何でも屋

山の魔王の宮殿にて

がんがんぶったたく強烈なピアニズム。そしてとろけるような歌心。これは興奮するなと言う方が無理。くれぐれも、精神性が-、とか、深みが-、とか言っちゃだめです。そういう方向で聴くピアニストではありません。

人間ブルドーザー。ピアノ音楽の破壊王。恵まれた身体で放出する圧巻のエネルギー。弾けすぎて、ごめんなさい。

1975年生まれの42歳ですから、今後20年ぐらいはまだ現役でいろいろと破壊しまくるでしょう。そう、マツーエフは、あまりにパワフルすぎるのであります。ずっと聞いてると(聞いてたんだが)、もういいや、と思っちゃうが難点だ。そうなったらしばらく放電して、そして時間が経ってからまた聞くのがよろしいかと思います。

最後に、マツーエフのコンサートを聞き終わったある英国婦人の言葉を記して終わりといたします「まあ、なんて下品な!」。・・・これは悪口でもあり、褒め言葉でもあるのです。