「マイネーム・イズ・ギルトブルク・・・・ボリス・ギルトブルク」
ブーッ、クスクスクス!!出だしから笑わせていただきました。007やミッション・インポッシブルのトム・クルーズみたいに格好をつけて、こちらにすっと振り返り「余裕の微笑みで」囁くように喋るからです。
キャー!バタン(婦女子が興奮して倒れた音)
なんというギャグのセンス!私はギルトブルクの演奏は全く好みませんが、この映像で一気に親近感がわきました。ギルトブルクと私との間の垣根がすっかり取り払われたような気分です。
言い過ぎ来ました。ギルトブルク(2013年、前回のエリザベート国際コンクールピアノ部門優勝者です)がオクターブについて語る4分短い動画はわりと必見です。
英語を話さない方のためにギルトブルクが語る内容を記しておきます。
ギルトブルクによれば、ダブル・オクターブ(右手左手、共にオクターブを演奏している状態)は全くピアニスティックな技法だ。ピアノ以外ではオルガンやチェンバロのような鍵盤楽器でなければ、一人の演奏家がダブル・オクターブを奏することは出来ないのです。確かに。
オクターブのテクニックは3つに別れていて、手首から弾く方法、肘を使って弾く方法、肩を使って引く方法とがある。
通常のオクターブの技法で話をしてもいいはずなのですが、なぜダブルオクターヴで説明するのか。
これには理由があって、それというのも、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番に現れるダブルオクターブの技法が面白いからで、この曲にダブルオクターブは3箇所あるのだが、それぞれが、肘、肩、手首、をつかった別々のテクニックを用いることで演奏可能となるから、というのがギルトブルクの主張なのです。
一つ目は肘から弾く:肩はロックして腕で演奏する。
二つ目は手首から弾く:肩、肘、手首ともにリラックスさせ、手先が単純に上下する
三つ目は肩から弾く:腕と体全体の重さをかけて演奏する。
分かりましたでしょうか?では実際に上に動画を御覧ください。
動画の一番最後、ドヤ顔でギルトブルクが何かひとこと言います。ふふ、しゃれた「落ち」がちゃんとつくわけだね。
・・・・が、なんということでしょう。何度聞いても聞き取れない・・・And the thing they are saying is that Tchaikovsky did not try to pianoとかなんとか言っているようにも聞こえるけれど残念!ここの落ちであーっはっは!と画面の前の私は笑うはずなのに・・・これではよく意味がわからないし笑えない!!
とモヤモヤしながら本日のところは終わりといたします。無念。わかった方がおられましたら、ぜひお教え下さい(※)。
※2017.02.25追記:教えていただきました。以下ページをご覧くださいませ。
「ギルトブルクの新しいCDはショスタコ祭り、その他」
https://www.nemo2sha.com/giltburg-latest-recording/