バーミンガムで徹夜のピアノコンサート開催。来月。

バーミンガム、行ったことないですよ。残念です。バーミンガム市響という、ラトルやネルソンスを育てた、そして今はミルガ・グラツィニーテ・ティラという超期待の女性指揮者(女性指揮者でいま「一番」注目すべき存在でしょう)を育てるすばらしいオーケストラもあるし、ホールは素晴らしい音響だと言うし・・。

その素晴らしい「シンフォニーホール」とは別に、もう一つ素晴らしいと言われるホールがあるんですよ、それが「タウンホール」。このページとかに全景があったりしますが、外も中も大変大変美しい。響きも最高だ、と言われている。

ロンドンのメジャーなホールが軒並み「最低レベルの音響」と言われているのとは大違い!(ただし室内楽専門のウィグモアホールと、ギルドホール音楽院に新しく出来たホールはロンドンでは例外的にいい音響らしいですが)

そのタウンホールの方で、来月ふざけた公演が・・・いや、おもしろい公演が行われるそうです。題して「ピアノソン」(ピアノとマラソンを足した造語ですな)。名前からしてやばそうだが、その中身はもっとやばいよ。まあ大体ご想像がつくとおり、マラソンコンサートなわけですが、午後7時半開演、終演は午前7時半だそうです。

BIRMINGHAM CONSERVATOIRE PRESENTS GALA PIANO ALL-NIGHTER
https://www.thsh.co.uk/event/birmingham-conservatoire-presents-gala-piano-all-nighter

午前と午後を間違ってないですよ。夜じゅうやる公演ですよ。ショパンのノクターン全曲から始まり、ペーター・ドノホー先生がメシアンを弾いたり、このねもねも舎でも以前お伝えしたマーク・ベッビントンも出演して、やっぱりイギリス音楽、アイアランドを演奏したりしますよ!全12時間、会場内のカフェテリアも終日営業だ!わあ、聴きたい!(そんな人ほぼほぼいないのでは)。

主催者はバーミンガムのコンセルヴァトワール、音楽院ですね。もともとこの会場ではジャズでオールナイト公演とかをやっていたそうで、それと同じような、という感覚でやってみるそうです。何人ぐらいお客さん来るんでしょうね・・・。

しかしこの公演の中で一番アホな企画は・・・ロンドン在住のアントニー・ヒューイットというピアニストが、開演時刻と同時に自宅を出て、自転車でバーミンガムまで駆けつける(だいたい午前6時半到着予定。旅の模様はロビーでライブ映像中継)。そしてそのままラヴェルの夜のガスパールを演奏する、という内容。ルートは明らかにされていませんが、たとえばグーグルマップでロンドンからバーミンガムタウンホールをルート検索するとこんな感じになります。遠いな・・・。

遠いなとか言っている場合ではありません。アホすぎて開いた口がふさがりません。はげしい運動の後って、指の動きがとても鈍くなるんですよ。大丈夫か。・・・もちろんそれを知っててのガスパールなんでしょうけれど。

こんな企画でホールが深夜じゅう貸してくれるとか、なかなかイギリスも乙な国だね・・・。

もうちょっと詳細が知りたい奇特な方は以下から:
https://www.pianistmagazine.com/news/piano-news/12-hours-of-playing-from-some-20-of-the-worlds-leading-pianists

15歳ぐらいのピアニストも出演する、みたいなことが書いてあるけど、いろいろ大丈夫かな・・?