神童も大変さ。マロフェーエフ君をご存知ですか。

近所のピアノの上手な子が、県のコンクールに出場して、周りの子のレベルの高さにびっくり。その上位入賞の子たちは、さらにもう少し大きな地域のコンクールに出場して、そこの出演者のレベルに驚き、さらにその子たちは全国大会でのレベルの高さに驚く。

全国で上位に入賞した子は次はアジアに行き、欧米を目指す。そこに集まるのは人類の精鋭中の精鋭ということになって、こりゃあもう無理だ、と、脱落する子もいるでしょう。・・・というような感じで連鎖があるわけです。

じゃあそれで最後まで残った子が無事にピアニストになるのかというと、それがそうでもなくて、その中からさらに脱落する子たちがたくさんいるわけで、ピアニストという職業はつくづく大変な世界だなと思いますよ本当に。

ときに、10台前半の世界トップの子供が、どれぐらいピアノを弾けるか、って想像がつきますか?

「ショパンの幻想即興曲だって楽々弾けちゃうんでしょう」とか、わりとそういうぐらいのざっくりとした印象しか持てないんではないでしょうか。

しかしネット技術の進歩は容赦がない。さあ、見よ、アレクサンダー・マロフェーエフ(Alexander Malofeev、2001年モスクワ生まれ。英語のプロフィールはマリインスキー劇場のサイトにあります)というちびっ子の恐るべきパワーと俊敏さを!!!この映像の当時11歳だそうです。2016年4月のいま、14歳だそうです。

ちびっ子の弾くド迫力のラフマニノフに、おじさんすっかりちびりそうになったぜ。さすがにまだ完成はされていない、だがそれだけに今後が末恐ろしいとも言えます。

そのうちチャイコフスキー国際コンクールにも出てくるでしょう。上位入賞ももちろん充分有り得る。だが、彼もまた、プロのピアニストとして活躍するためには絶えぬ努力と勉強と、運が必要なのです。

残酷、でもそれが現実。頑張れマロフェーエフ君。