ポゴレリチの新しい録音が発表!ただしストリーミングのみ。CDなどパッケージはなし

噂をされていたポゴレリチの新録音が発表されました。しかも(不勉強だったから知らなかったのですが)CDやLPなどのパッケージでの販売は「ありません」。ストリーミングのみ。

Idagio: Ivo Pogorelich
https://www.idagio.com/ivo-pogorelich

こいつぁ、また思い切ったことを。でもポゴレリチなら違和感ないし、と印象を持つのは私一人ではありますまい。「異端児」として長年孤独の戦場を戦ってきた男が、CDなど旧弊なプラスチックを捨ててしまったとしても何の不思議もない。

英語のサービスですがこのIdagio(アダージョをもじって、アイダージョと読むんではないかと勝手に推測)という、クラシック音楽に特化したストリーミングサービスは2015年ローンチ。日本でも利用可能です。ポゴレリチの録音が聴けるようになるのは明日からのようで、プレミアム会員になっている必要がある、と。

えーと、プレミアム会員になるには・・・まずサインアップして、クレジットカードの入力をすればオッケー、ね。費用はNormally 5ユーロって書いてあるな。Normally(通常は)ってことは、もしかすると、特別な録音なんかは別料金が発生したりするのかもしれないね。それでも月5ユーロってめっちゃ安いですよ。ナクソスにはもっと払ってますもん(あれはカタログが膨大なので充分料金に見合っていると思います。いつも使ってるぜ、サンキュー!ナクソス!)。

こういうプラットフォームって、往々にしてアーティストには凄まじいほど激安のお金しか支払われないものらしいのですが、このIdagioはたくさん払う、らしいです(具体的にどんなもんだかは解りません)

スマホでぽちぽちぽちっ。おやおや、私ったら早速プレミアム会員になったみたいだぜえ?7日間はフリートライアルということなので、いろいろいじってみましょう。ポゴレリチの録音も、11月2日から、と書いてありますが、もう聴けるよ。プレミアムな私ったら早速聴いちゃったぜ!これは・・・・****だ!!(←皆さんのお好きな言葉を入れてお楽しみ下さい)

ひとつだけ確実に言えること、それは「さらにスピードが上がってきている」ということです。ディアパソン誌のインタビューのタイトル「王の帰還」という言葉、もしかすると相応しいかもしれない。

最後に、この録音について教えてくれたSlippediscのサイトには、ソースはどこなのかわかりませんが、以下のリリース?が掲載されていました。

http://slippedisc.com/2016/10/just-in-pogorelich-breaks-record-silence/

以下にざざっと翻訳いたします。

2016年10月31日、ベルリン。伝説のピアニスト、イーヴォ・ポゴレリチが1998年以降初となる録音をリリースした。ベートーヴェンのピアノソナタ第22番ヘ長調、および、第24番嬰ヘ長調である。ベルリンに拠点を置くクラシック音楽プラットフォームIdagioのアナウンスによれば、この録音は2016年11月2日より、idag.io/pogorelich もしくはIdagioのiOSアプリから聴くことが出来る。このポゴレリチの録音は、クラシック音楽界のスターによるデジタルプラットフォームだけで聴くことの出来る世界初の録音である。

ポゴレリチは「若い世代にリーチするためには、彼らが使うプラットフォームを利用する必要がある。Idagioは私の録音を一瞬にして世界中で楽しむことが出来るようにしてくれる。若者たちがずっとスマートフォンを見つめていたり、ヘッドセットで会話をしていたりするのはとても驚くべき事だった。しかし若者たちは彼らの直感に従い、ヴァーチャル世界を豊かに、本能的に発展させている。むしろ若者たちはバイアスがかかっておらず、理解ある聴衆であり、クラシック音楽の可能性を感じさせる。」と語っている。Idagioの創立者Till Janczukowiczは「我々は、ウィーン・フィルやイスラエル・フィルに加え、世界で最も著名なソリストたちをパートナーとして迎えることができ大変光栄に思っています。クラシック音楽に特化したプラットフォームとして、質の高い音楽、技術に裏打ちされたキュレーションを通じ、音楽家、プロモーター、そしてレーベルをサポートし、デジタル領域でのより良い経験をもたらしたいと考えています」

イーヴォ・ポゴレリチのキャリアは、ワルシャワのショパン国際コンクールでファイナルに進めなかった1980年の夜に始まった。審査員だったアルゲリッチは怒り、「彼は天才」とコメントして審査員から降りたのだった。以来、ポゴレリチの演奏は世界のスタンダードになった。

Idagioはクラシック音楽のストリーミングサービスで、2015年にザルツブルク音楽祭においてスタート。ハイクオリティな録音のカタログはコンスタントに増え続けている。現在、アメリカ合衆国を除く世界すべての国で利用が可能。優れた検索サービス、吟味されたプレイリスト、使いやすいインターフェースによって、クラシック音楽をマニアから初心者にまで楽しんで頂けるものとしている。

Berlin, October 31, 2016 – The legendary pianist Ivo Pogorelich has just released his first recording since 1998, including Beethoven’s Piano Sonatas No. 22 in F Major Op. 54 and No. 24 in F-sharp major Op. 78. As announced by the Berlin-based classical music platform Idagio, the recording will be available from November 2nd 2016 exclusively on idag.io/pogorelich and on the Idagio iOS App. This release marks out Pogorelich as the first classical star to make a recording available exclusively in digital form.

According to pianist Ivo Pogorelich, “In order to reach younger generations, we need to distribute art through the platforms that they use. Idagio offers me as an artist the opportunity to make my recordings available worldwide in a fraction of a second. I find it alarming that young people are constantly staring at their smartphones and speaking through headsets; however, they are also developing excellent instincts in the virtual world and following their intuition. They are an unbiased and attentive audience with great potential for classical music.” Idagio founder, Till Janczukowicz, commented: “Idagio is proud to welcome one of the world’s most significant soloists to its community of partners, which already includes orchestras such as the Vienna Philharmonic and the Israel Philharmonic. As a purely classical platform, our aim is to combine high quality and human curation with technology, thereby helping musicians, promoters and labels to be better heard in the digital space.”

Ivo Pogorelich’s unique career began almost overnight in 1980 when he was not admitted to compete in the finals of the Warsaw Chopin Competition. The pianist Martha Argerich angrily withdrew from the jury with the words “he is a genius”. Since then, Pogorelich’s interpretations have set worldwide standards.

The classical music streaming platform Idagio was launched in 2015 at the Salzburg Festival and offers access to a constantly growing catalogue of high-quality recordings and tens of thousands of hours of music. Idagio is currently available in every country worldwide except for the USA. Through specially developed classical music search functions and curated playlists, as well as an easy-to-use interface, classical music can be enjoyed by aficionados and beginners alike.