ピアニストの姿勢が悪いとき

ピアノって、年を取ってからでも弾ける楽器の一つです。身体のポジションはだいたい左右対称だし、座って弾くし、腕の重みで弾くのでそんなに筋力がなくても大丈夫。

弦楽器は身体の使い方がピアノよりずっとアンバランスですし、年をとったら厳しいものがある。管楽器もだんだん肺活量が落ちてきて、口の周りの筋肉も衰えるし、けっこうつらい。声楽も声が出なくなる、震える、かすれるなど、年を取るとてきめんに歌えなくなります。

ピアノはその点、本当にラッキーだった。ピアノを考えた人というか鍵盤楽器を考えた人に感謝しなければ。

ちみにもっとも歳をとっても大丈夫なのは指揮舎です。いえ、指揮者です。自分では弾かないからね。演奏する側に指揮者に対するリスペクトがあれば、多少指揮がめちゃくちゃになっていてもみんなが鬼の形相で必死になって演奏してくれるので、名演が聴ける可能性も高い。もちろんただのお年寄りだと誰も白けきってまともに演奏してくれませんけれど。

でも指揮者は意外と長生きをしませんね。日々のストレスが凄いからですかね。誹謗中傷、いたずら、いじめなど、様々な怨念が指揮者には向かいますからね。

しかしピアニストも、姿勢に無理があると、長い間現役であり続けることは難しいかもしれません。(もちろん、年取ったらさっさと引退するぜっていう人はそれでもいいんですよ。)

トリフォノフのこの姿勢ご覧ください。

よく曲がっている。猫背どころの話ではない。これはすごいですよね。蓋よりも低いとこに行きそう。ここまでぐにゃりとまがっていると身体は窮屈ですし、齢を重ねていくにつれ、けっこうつらくなってくると思うんですよね。曲げづらい、なんか弾きにくい。きっとトリフォノフも年を重ねればもう少し身体が浮上してくるんではないか、と思いますよ。現実問題年をとったらあれでは弾きにくいのでは。もしくは身体が曲がっていくか・・・。

今日の一言:やっぱり普通が一番。人生平凡が一番だよね!(・・・と心から思っているわけではありません)。