【金曜日は動画でも】シチェドリン ショパンへのオマージュ

ソ連の作曲家、ロディオン・シチェドリンはご存じですか。現代音楽を専門にしている方ならともかく、あまり一般的な知名度はそこまで高くないので、知らないという人も多いでしょう。

伝説的なバレエダンサー、マイヤ・プリセツカヤと結婚していた人、と言えばああ、という人もいるかもしれませんね(いないか)。プリセツカヤより7歳年下。プリセツカヤは2015年に亡くなっていますが、シチェドリンはまだご存命。1932年生まれの85歳。

今日は金曜日だし、そんなシチェドリンの動画でも見て、週末に向けてパワーをためましょう。題して、ショパンへのオマージュ。4台ピアノのための作品。15分弱。ほら、最近トリフォノフもショパンへのオマージュ作品CDを出しているし、そういう意味でもここで採り上げるのにぴったりですね。どういう意味かよく分かりませんが。

冒頭の前奏曲をはじめ、あちこちにショパンの作品が現れるんですが、それ以外のところはやりたい放題。マズルカ、練習曲、スケルツォなどの断片が現れては無法状態に突入する。あるいは無法状態にショパンの断片が挿入される、という感じ。

この曲がお好きになるかどうかはともかくとして、眺めていて思ったのですが、こういうコンサートの最大の問題点は、お金。いや、もちろんどんなコンサートだってお金が大変なのは同じですが、こういうのの場合はまず、楽器をそろえるのが大変。

4台もピアノがあるのは立派なコンサートホールとかだけなんですが、この時の会場はミュンヘンのコングレスホールと書かれているので、どこか知りませんがたぶんちゃんとしたクラシック専門のコンサートホールではないでしょう。

あったとしても1台しかないと思いますが、こういうところのピアノは失礼ながら状態が悪いと思われるので、4台とも持ち込むのが多分正しい。

ここにピアノ4台を、しかもフルコンサート・グランド4台を入れるとなると、相当な費用がかかる。ピアノの移動費だけで100万円超えます。

そしてピアノが必要なのは本番だけじゃないからね。リハーサルでも使うんですから4台ピアノがあるリハーサル室が必要。ピアノをリハ室→コンサートホールなどと動かすのは高く付くから。だからリハーサルもホールでやることにして、ホールを借りっぱなし、がいいでしょう。リハーサルは1回でオッケーとか言うわけにはいかないでしょうから複数日、最低3日はホールが必要でしょう。

高い。さらにピアニストも押さえて(ギャラだけじゃなくて旅費、ホテル代とかも必要)、しかもこういう現代音楽だからチケットはあまり売れないかもしれないし、、、、、、などと考えていくと、この曲の実演に立ち会う機会は、有力なスポンサーが付けばともかく、現実的にはそう多くはなさそうですね。

ちょっとだけ生で聴いてみたいかなと思ったけど。ちょっとだけ。・・・皆様良い週末を。