ハノンが好きだった大ピアニスト

昨日のブログがえらくヒットしまして、たくさんの方々にお読みいただいたようです。ありがとうございました。あまりに雑なショパン5選へのツッコミ、お楽しみいただけましたでしょうか。みなさんも思い思いに心の中で突っ込んでおいてください。

ショパンのマスト曲5つとはなんなのか

さて、ハノンに苦しめられた人はどれぐらい全国に散らばっていますでしょうか。その数たるや相当なものだと思いますし、死屍累々、そんないささかグロテスクな言葉すら思い浮かぶようだ。

ハノン大嫌い、ハノンのせいでピアノが嫌いになった。ハノンを見たら蕁麻疹が出る。ハノンのせいで全音の藍色っぽい表紙が目に入っただけで動悸がする。ハノンの楽譜なら叫びながらビリビリに破いて窓から放り投げた。燃やしてその火でパンケーキを作って食べた。フランス人だから本当はアノンなんだぜちきしょう。

そんな生々しい体験談が続々と出てきそうな気がしています。

しかしハノンの効用はある、と信じられてきたわけですから、こうして今でも用いられるのでしょう。お尋ねしますが、ハノン60曲を1時間で弾けたってひと、どんだけいますか。多分全国広しと言えど、ほとんどいないんじゃない?(注:楽譜の前書きだかなんだかにこれ一冊は1時間で弾ける、とか書いてあるんです)

少なくとも私はオクターブのやつとか絶対に弾けんかったですよ。自分無能だね、残念だね。

ハノンといえば転調もやりませんでしたか。それぞれの番号を全部の調で演奏するっていうやつ。あれのおかげで基礎はずいぶん底上げされたような気もします。ハノンありがとう。サンキューハノン。あれ?褒めちゃった。

みんなハノン大好き:
https://ontomo-mag.com/article/column/hanon01-2019/

そんなわけで最後にトリビアルな話を一つ。Pianist紙の記事を読んでいて知ったのですが、なんとラフマニノフはハノンのことを高く評価していたそうです。

DID YOU KNOW? One such fan of Hanon’s work was the great Sergei Rachmaninoff. He claimed that these exercises were the reason why Russian conservatoires delivered an explosion of piano virtuosi in Rachmaninoff’s time.

知っていますか?偉大なセルゲイ・ラフマニノフはハノンのファンだった。ラフマニノフは、あの練習曲集のおかげでロシアの音楽院からヴィルトゥオーゾたちが、爆発的に生まれたのだ、と主張した。

https://www.pianistmagazine.com/blogs/what-are-hanon-exercises-and-how-can-they-help-me-improve/

まじかよ。

ほらほら、みんなそこであくびなんかしてないでさっさとハノン練習しなよ(影響されやすいやつ)。