コルトーのサインが別府にあるらしいと聞いて

アルフレッド・コルトーの名前は、ピアノを真剣に学んだ人なら絶対に知っている。コルトーが編集した楽譜を使ってショパンの練習曲とか勉強した人も少なくないはず。かくいうねもねも舎もいっしょうけんめい勉強しました。楽譜は表紙が取れかかり、ぼろぼろです。まったく、われながらよく取り組んだものだ。いまや本棚にしまわれたままなのだ。

コルトー版と呼ばれる楽譜には1曲ごとに解説とか練習方法が詳細に書いてありました。そして悪夢のような一言が解説の最後にあったりするのを思い出します。「この曲を◎◎調で演奏すれば勉強になるであろう」いや、もともとの調で演奏するのもほぼ不可能なのに、他の調で弾けだなんて、空恐ろしいことをおっしゃる、コルトー先生ったら。

そのコルトー先生は一回だけ日本に来ているんですよね1952年。昭和27年ですね。戦後7年。その時に別府に泊まって、公会堂でコンサートもしているそうだ。その時のサインが残されていて、ただいま公開中だそうです。なるほど。

コルトーのサイン公開 仏の世界的ピアニスト 平野資料館(大分合同新聞)
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2017/05/19/JD0055763347

もともとコルトーはピアノの演奏技術に長けた人ではなかったのですが、来日時に録音された音源がCDで出ていて、YouTubeでその一部が聴ける。これとか。

はい・・・・ぼろぼろです。この録音がリリースされたとき私も買いましたが、最後まで聴き通すことがつらかった。あまりにもぼろぼろで。コルトーは1877年生まれなので当時75歳。それにしても相当老いていますね・・・。

話を別府にもどして。コルトーは別府公会堂(昭和3年築)で演奏したそうです。公式ページはここにありますけれど、内部の写真がもうちょっとみたい方は下のURLをご覧ください。こんなところ↓

http://www.hoteloita.com/beppu/kouminkan.html

ここに、コルトーが弾いたピアノが今でもあるそうです。それを弾けるかどうかはこのサイトからはわかりませんでしたけれど、コルトーの公演が「ピアノ開き」公演だったそうですから、新しく買ったピアノでコンサートをしてもらったのでしょう。買った当時新品だったとして65年前のピアノだ。どんな音なのか、どんな状態なのか、気になるところ。

別府はアルゲリッチ音楽祭をやっていますから、そのピアノを全面的に修理してアルゲリッチに弾いてもらう、とかするとおもしろいかもしれませんね。ニュースにはなる。

いや、でもヨーロッパ各国には、コルトーがピアノ開きをしたとか、だれそれがピアノ開きをした、だれだれゆかりの・・・みたいな楽器がごろごろ眠っているかもしれませんから、アルゲリッチぐらいの人になると、そういう話をたくさん見聞きしていて、「ふーん」とか「へえ」とかで終わってしまったりする・・・のかも?しないかも?