ダニール・トリフォノフの、カーネギーホールでのコンサートが、特に前半が長かった模様です。70分。この長さを長いと思うか、べつにいいじゃんと思うか。英語が行ける口の方は以下ニューヨーク・タイムズ紙の批評どうぞ。
https://www.nytimes.com/2019/02/10/arts/music/review-trifonov-recital.html
近年のコンサートはこれまでの考えを打破するようなものがいろいろと企画されてきていますが、このコンサートもその一つと言えるでしょうか。(ちなみに後半は30分だったそうです。)
前半七70分っていうのは妥当かどうか?ごく普通のコンサートに慣れきってしまっている私なんかはつい直感的に長い、と思ってしまうんですよね。50分過ぎたぐらいからまだかなーと、もじもじしちゃいそう。
だいたいピアノや弦楽器の普通のコンサートって、前半後半それぞれ40~45分ぐらいっていうイメージですが皆さんはどうでしょうか。あと歌や金管楽器のリサイタルなら、前半後半正味30分ずつぐらい、ってとこですか。
なんとなくですけど、感覚として休憩とアンコール含んで110分から120分ぐらいな普通な感じで、90分切ったらちょっと短いなーっていう感覚でしょうか。お客さんから「短いね」と言われる分岐点が90分ぐらいなように思いますよ。
あと正味の時間がやや短くとも、舞台に出たり入ったりをうまく使えば時間は伸びて行きます。本当にうまい歌手とかはこのあたりもお上手だったりします。声を休ませながら、お客さんも満足させるのです。さすがだ。
話がずれました。トリフォノフの今回のカーネギーホールでのプログラムですが、内容も通常とはやや異なっていたそうです。え、プログラムが気になる?そんなあなたのために書いておきましょう。これです。
BEETHOVEN Andante in F Major, WoO 57 (“Andante favori”)
BEETHOVEN Piano Sonata No. 18 in E-flat Major, Op. 31, No. 3
SCHUMANN Bunte Blätter
SCHUMANN Presto passionato
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PROKOFIEV Piano Sonata No. 8 in B-flat Major
Encores:
PROKOFIEV Allegro rubato and Allegro precipitato from Sarcasms, Op. 17, Nos. 2 and 3
CHOPIN Largo from Cello Sonata in G Minor, Op. 65 (arr. Alfred Cortot)
https://www.carnegiehall.org/Calendar/2019/02/09/Daniil-Trifonov-Piano-0800PM
むむ、挑戦的、と思ったあなたは古いのかもしれない。たしかにトリフォノフがチャイコフスキーコンクールで優勝したロシア人だからロシア物ばかりを期待する、あるいはショパンコンクールでも入賞しているのだからオールショパンを期待する、そんな考えもあるのでしょうが、まあ待て、トリフォノフはまだ27歳だし、いろいろ挑戦的になったっていいじゃないか。ねえ?