ピアノコンクールをいっそのことワールドツアーにしてしまうというアイデア

コンクール、って、言いますけれど、果たして誰のためのものなのでしょう?世の中にはたくさんのコンクールがあって、国際コンクールもものすごい数がありますが、なぜそんなにコンクールがあるのかわからないかも、と思うことはありませんか。私はあります。断固あります。コンクール、ハンターイ!!(ちなみにそこまで強くコンクールに反対しているわけではありません)

もちろん、賞金がもらえたりするのは入賞者にとっては嬉しいでしょうけれど、だからといってピアニストとしての生活が保証されるわけでもなく、コンサートが継続的にもらえるわけでもありません。そんなことよりも仕事をくれ!とコンクール卒業生たちは思っていることでしょう。

それでもコンクールはなくなるどころか、増えていますね。あまりに世の中にコンクールがありすぎ、もうなんだかわけわからないことになっています。

なぜコンクールはなくならないのでしょう。演奏家としての箔がつくから??町おこしになるから?税金の使いみちとして有効だから??・・・考えていたのですが、いっそのこと、テニスみたいにコンクールのワールドツアーみたいな事をしちゃうのはどうでしょうか。

ピアニストにもランキングを付けて、コンクールにもランクをつけて、若いピアニストに世界中を転戦させるのです。その時々の状態の善し悪しもありますから、それを聞いてうーん、今回はいまいち、今回はいいね!とか聴いている人が判断する、というやり方。これ、けっこういいと思うですがどうでしょうかね。

テレビやネットでも、各地の様子を中継すれはそれなりに盛り上がるでしょうし、若手も切磋琢磨しますから、例えば、現状なら、ショパンコンクールで優勝したユンディのようにボケボケな感じになってしまってボロボロという状態に落ちても仕事がダラダラある、ということもなくなります。こういうスタイルをとればボロボロ演奏をする人はあっという間に切られてしまいます。・・・うん、公平だ。

問題は、技術がよければ点数が高くなる、技術偏重となるのではないか、という点ですが、これについていえば安心して下さい。はいています。えっ?・・・いや、つまり、審査員は技術ばかりみているわけではないです。浜松国際コンクールの審査員、ババヤンのインタビューを読めばそういうことがはっきりとわかるでしょう。

演奏が悪ければ切られてしまう、よければ上がっていける、という単純で明快なルールが今の音楽業界では上手く機能していない、ということの方がもしかすると問題かもしれませんね。ババヤンの演奏、もっとみなさん、たくさん聴いてください!