楽譜は見たほうがいいのか、見ないほうがいいのか問題

ピアノの演奏では楽譜を見るのがいいのか、見ないほうがいいのか、という問題というか議論が昔からありまして、暗譜での演奏はクララ・シューマンとかリストあたりが発祥の地ともいわれますが、楽譜を見ずに演奏することがピアニストにとって義務のようにいまなお、なっています。

コンクールでも、楽譜はみてはいけない、と明確に書いてあるところもあったと思いますし、だいたい今でも普通は見ないものとなっています。譜めくりの人も必要になるしね。見るのは勉強不足だ!と断じる人もいますから恐ろしいことです。

でも最近はタブレットに楽譜を表示させながら演奏する人の数も増えてきまして、そうなると、自分の足でページをめくれるということになりますので(別途デバイスは必要)、譜めくりをする人も不要になります。ただし譜めくりの瞬間は左足が使えませんから、ウナコルダやソステヌートペダルが使えないという問題はまだ解決していません。

楽譜がテンポに合わせて自動的にスクロールしていけば完璧だと思うんですが、まだそのようなアプリは出現していません。そのうち出るでしょ、多分。(適当)

そこで今日もまたユジャ・ワン。Pianist誌の最新号はユジャ・ワンをフィーチャーしているようですが、その記事の一部?がネット上に掲載されている。それによると、ユジャ・ワンは楽譜を見て弾くのを好むようです。

5. Playing from the score vs. playing off by heart

‘I’d always rather have the music,’ explains Yuja. ‘Because we learn music with the music, I find the pressure just isn’t there, because 60 per cent of the nervousness on stage is about memory. Though once I had the music there and still had a blackout!

The music reminds you of what the composer wants. You pay more attention to the dynamic markings, and it feels more relaxed.’

「どちらかと言えばいつも楽譜を見て弾きたいとおもっています。音楽は楽譜を見て学ぶものだし、ステージでの緊張感の60%は暗譜から来ているものだと思うからです。楽譜を見ながら弾いていて落っこちたこともいっぺんあるけどネ!楽譜は作曲者の意図を思い起こさせてくれます。記号などにより注意を向けられるようになるし、よりリラックス出来ます」

https://www.pianistmagazine.com/blogs/5-inspirational-facts-about-cover-star-yuja-wang/

さああなたは同意しますかしませんか。暗譜が大好きな人もたくさんいますし、暗譜で弾くことでより聴衆とのコンタクトが取れるような気がするから暗譜のほうがいい、と言ったピアニストも知っています。

つまり最終的にはこういうことだと思うのです。「暗譜するしない」ではなくて、「その人がいかにいい音楽を演奏できるか」がゴールなのです。その演奏家にとってベストの選択肢をとって、ベストな結果が出るのであれば、あるいはベストだと本人が納得して演奏するのであれば、暗譜しようがしまいが、演奏が良けりゃそれでいいんだよ、ということになります。

暗譜だけをつかまえて聴衆がどうこういうのは間違い。あと暗譜してないから下手だろう、という先入観で聴くのも、間違い。純粋に音楽を聴く努力というか、そういうスタンスを崩さないように心がけるべきですよね。

書いててなかなか簡単じゃないなとも思うんですけれど。