バドゥラ=スコダ91歳、ウィーン楽友協会大ホールを超満員にする

先日もこのブログで話題に出しましたパウル・バドゥラ=スコダは先月末に91歳となられました。遠い日本への来日はもう難しいのかもしれませんが、祖国オーストリアではまだまだご活躍のご様子です。

2018年11月6日、すなわちこのブログを書いている2日前ということになりますが、おとといだね、ウィーンのもっとも権威あるホール、ウィーン楽友協会の大ホール、別名金ピカホール(そんな別名あるのか)でリサイタルを開催。満席だったそうです。しゅごい。91歳の誕生日を迎えて、というようなタイトルでのリサイタルだったそうです。楽友協会の公演詳細ページは以下のURL。

https://www.musikverein.at/konzert/eventid/37896

曲目はシューベルトの最後の3曲のソナタ。技術の衰えは恐らく相当来ていると思いますが、ウィーン人の手によるシューベルトの歌は客席の心を打つであrろうことは想像が付きます。ちょっと聞いてみたかったです。

ここに写真が載っていますが、ステージ上にまで大量の椅子が並べられ、満員の大盛況であることが伺いしれます。多いに人々の心に残る、なんというか、異様な雰囲気が渦巻くコンサートだったのでしょう。満席だとそもそもそれだけでみんな興奮してハッピーになりますしね。

つくづく思うのですが、高齢の演奏家に対する評価は簡単ではありません。技術は衰えていて、ボロボロかもしれない。引き際というものも考えないといけない。ただ、技術はもう皆無だとしても、その人の人生を聴衆は聴く、あるいは聴こうとする場合もあります。人間的な温かみがあれば、そこに感動が生まれる。例えばギトリスはそうでした。ギトリスのコンサートは、一人の老芸術家と聴衆との類まれな対話でした。音楽とは技術だけではないのだ、と思う瞬間、と言ったらいいのでしょうか。技術があってこその音楽、でもあるのですがね。いやはや・・・。

・・・ていうか上の投稿の写真を見ると、バドゥラ=スコダが帽子をかぶっている。しかも一風変わった帽子だ。ユダヤ、あるいはアラビアっぽい?私、スコダの実演は一回しか聞いたことがありませんが、こんな帽子はかぶっていなかっ。いつからかぶるようになったのでしょうか。ファッション?宗教的理由?あるいは・・・チャームポイント?

というわけでスコダに近い人にたった今質問してみて分かったのですが、なんとスコダのお父さんはペルシャ系の人で、父への敬愛の念から近年あの帽子を被るようになったのだそうです。マナーとかエチケットとかドレスコード?とかそういうのに照らし合わせると、こういう場でお帽子を被るのは「間違い」「NG」とかそう言うことになるのでしょうが、スコダもこの齢だし、もうそんなこと気にする必要ないですよね。