ピアノは安いか?

ピアノをやっていてよかった、と思える瞬間は、ときどきあります。そのうちの一つの瞬間が、ヴァイオリンを(弦楽器を、と言っても良い)やっていなくてよかった、というものです。

なぜか。ヴァイオリンをはじめとする弦楽器は鬼のように高額だからです。それに比べればピアノなんか安い安い・・・!そうです。安い安い、なのです。乾いた笑いが聞こえてくるようですが、ピアノは遙かに安いのです。

プロのクラシックのヴァイオリン演奏家はどれぐらいの値段の楽器を使っていると思いますか。平均で1000万円は軽く行くのではと思います。ちゃんと調べてないけど。私が大学時代にお付き合いしていた人の楽器は3000万でした(そしてその人は海外プロオケでいいポジションを得ました)。ヴァイオリンで世界最高の楽器と言われるところまで行くとなると、億の単位の話になります。

いやあよかったよかった。ピアノなら最高の楽器でもたったの2000万だもんね。そしてそれは自宅には大きすぎてたいていおけないから、自宅用に使われることは少ない。自宅用のグランドピアノってせいぜい100~500万ぐらいかなと思います。ああ、安い、安心した(高いけど)。

おとといのGigazineに、ストラディバリウスの音の秘密に迫った?記事がありました。

https://gigazine.net/news/20180520-why-stradivarius-violins-worth-millions/

この中に面白い事が書かれていて、ブラインドテストをしてみたところ、プロですら、ストラディバリウスの音を、はっきりと聞き分けられなかったとか書かれています。いや、あちこちから異論が聞こえてきそうですが、仮に、ですよ、これが事実だったとしたなら、我々はストラディバリウスという幻想を聴いている、ということになりますでしょうか。

ピアノなら2000万で世界最高の音が聞ける。ヴァイオリンなら、幻想に数億円を出す、いやはや本当にヴァイオリンは無理ゲーですな。

みなさん、俺たちピアノでよかったね!