ピアノフォルティ社がファツィオリジャパンに社名変更

これまでピアノフォルティ社という、ファツィオリを一手に扱っておきながらも謎めいた名前だった日本のファツィオリ代理店が、本日付でファツィオリジャパン社になったそうです。これはつまり、10年間、ピアノフォルティ社としてイタリア本社からの信頼を築いて来た結果でしょうね(あくまで想像)。会社としてのブランドイメージもアップするでしょう。

おめでとうございます!

ファツィオリジャパン株式会社のリリース:
https://fazioli.co.jp/news/2017/08/Fazioli-Japan-Co.-Ltd.-Starting-10th-Year.html

ファツィオリはイタリアの新興ピアノメーカーとして、他に類を見ない躍進を遂げている会社ですね。考えてみてください。世の中のほぼ全ての著名ホールでスタインウェイが使われています。そこに太刀打ちを出来るメーカーは、ほぼないです。そんな中、ほぼ唯一、できればあの楽器を弾きたい、というトップアーティストが増えているメーカーです。

ウィーンならベーゼンドルファーが当然とか、ベルリンならベヒシュタインとか言われますけど、現実として、トッププロはほぼスタインウェイを利用している。いろいろな海外著名ピアニストから聞き取りをしましても、スタインウェイにもいろいろあるけれど、間違いなくスタインウェイがベストの選択、という人がほとんどです(一般家庭などの流通量で言えば日本製の方が多いでしょうが、しかし、コンサートグランドピアノで日本製を選択したいと言う人には滅多に会わない)

「日本人のあなたにこういうことをいうのは悪いけど、日本のメーカーはいまいちだ。」何度言われて残念な思いをしたことでしょう。先月も、名は伏せますがさる著名欧州人ピアニスト(欧米の新聞の年間ベスト・レコーディング賞とかを受賞しているクラスの人)とピアノに関する長話をしていまして、同じことを言われました。

日本のピアノからは複雑でニュアンスに富んだ美しい音が出ないのだそうです。「ベーゼンドルファーも、最良のものはいいけれど、そんなものは滅多に出会えない。ベヒシュタインも、かつて1台だけ素晴らしいピアノに出会ったが、本当にない。やはりスタインウェイにはかなわない。ファツィオリは、私のテイストではない。」

・・ちょっと待て。テイストではない、という言い方。ファツィオリは「落ちる」という言い方はしていません。(ま、落ちるか落ちないか、という判断も、その人の「テイスト」なんでしょうがね。)というわけで、看板を新たにしたファツィオリジャパン社、これからのさらなる躍進を期待いたします!スタインウェイだけじゃあ、面白くないですよね。群雄割拠、切磋琢磨、下克上。そんな活発な楽器市場になってほしいなと思うわけです。

もちろんファツィオリだけでなく、ヤマハもカワイも、スタインウェイも、ベヒシュタインも、ペトロフも頑張って下さい!!(なぜいきなりペトロフなのか)