オリ・ムストネンがピアノを始めたきっかけ

フィンランドの奇才ピアニスト、オリ・ムストネンが50歳になったそうです。そうか・・・ムストネン50歳か・・・。ムストネンとは1度だけ会ったことがあります。その時「自分はいつも若いアーティストとして見られていたけど、だんだん年を取ってきた」みたいなことを言っていました。

50歳ならもう若手とはいえないですね。中堅、とか、名匠、とか言われる年代ですね。いやーしかしムストネン50歳か・・・。

雷のように切れ味の鋭い独特のピアニズムは今も健在のようです。最近の映像。ゲルギエフとプロコフィエフの第5番。

それにしても、グラモフォン誌にわざわざ50歳だよと採り上げられるというのも面白いなと思いました。ムストネンそこまで人気が爆発しているわけではないのに(こんなこと書いてすいません)、たくさんの音楽家たちからお祝いのメッセージが寄せられている。

特にチェリストのスティーヴン・イッサーリスのメッセージが長くて充実していました。その中で、イッサーリスが、ムストネンについての好きなエピソードを書いています。それはピアノを始めるきっかけとなったエピソードらしいのですが。

as a little boy, Olli heard music all the time, because his father was a keen amateur violinist, his sister Elina a budding (and now successful) harpsichordist. But little Olli was sad, because, looking at the sheet music from which they were playing, he thought to himself: ‘I’ll never be able to understand all those black dots.’ One day, however, looking at his father’s violin music, he suddenly discovered, not only that he could read the music, but could also relate it to the sound that was produced; it was his eureka moment. That evening the five-year-old Olli, who had never had a piano lesson in his life, sat at the piano and played through all Bach’s Little Preludes and Fugues.

少年オリは、音楽に囲まれて育った。父がアマチュアのヴァイオリニストで、姉がチェンバロ奏者になるべく努力していたからだ。オリは悲しかった。彼らが演奏する楽譜を見てこう考えていたからだ「あの黒い点々を理解することは一生ないんだろうな・・・」。ある日、父のヴァイオリンの楽譜を読んでいたときのこと、突如として、楽譜を読めたのみならず、出された音とどう関係があるのかということを理解したのだ。天啓だった。その夜、5歳の少年オリは、それまでピアノのレッスンを受けたことがなかったが、バッハの小プレリュードとフーガを弾き通してみせた。

https://www.gramophone.co.uk/feature/olli-mustonen-at-50

なんですかねこの才能は・・・。オリ・ムストネンの将来に幸あれ!!(この人はビーフが大好き、そのほかポテトとコーラぐらいしかほとんど口にしません。健康には注意して長生きして下さい・・。)