ピアニストの敵に、IT革命の波。

ピアニストにとっての最大の敵はなんでしょうか。こんな質問をすればいっぱい山のように返事が返ってくる気もしますが・・・その一つにメトロノームがあると思うんですよね。

ピアノの練習にメトロノームを使ったことがない、苦しめられた事がないという人がいたら、教えていただきたいです。本当に苦しい思いをしました。メトロノームと、楽譜冒頭とかにあるメトロノーム記号。なんでそんなに速いんです?

速さの問題のみならず、人は生まれ持ってコンピューターのように正確なリズムを持っていない、と言われるとおり、人間は実に恣意的に、テンポを変えることができます。(絶対音感ならぬ絶対テンポなるものを持っている人もいる、と聞いたことはありますが。ロバート・クラフトは持っていた、とか。本当かな。)

難しいところに来たらついつい自分に甘くなってしまう。音符の少ない箇所にさしかかるとついつい、先走ってしまう。これではいけませんね。

そこで・・・メトロノームの出番というわけだ。しかしメトロノームってむかつきませんか。いまだに振り子型のメトロノームを使っている人はさすがにいないと思いますが、ピッピッと聞こえるあの電子音からずれると、苛立つんですよ。

だいたい遅れていくんですよね。やりなおす。またずれる。やりなおす。ずれます。・・・最後は壁にメトロノームを叩きつけて、練習室を後にすることになるわけ。

これではいけません。

そこでIT革命。メトロノームが腕時計型になりました。スマホとコネクトして、音だけでなく、振動で感じる。わくわくするガジェットの登場だ。

https://www.soundbrenner.com/

ちょっと使ってみたい。あっ、これを使ったからといって劇的に上達スピードが上がるかというと、たぶんない、のですが、すくなくとも最初はわくわくするにちがいない。

クラシック音楽の場合、実際の演奏ではテンポの伸び縮みがけっこうあって、それが演奏の良し悪しの鍵を握っていたりしますから(それこそが、クラシック音楽を難解なものにしている要素であったりもする)、ロックやポップスのように、本番でも使えるぜ!おっしゃー!みたいにはならない。