エリザベート国際も世代交代。審査委員長交代へ。

リーズ国際のファニー・ウォーターマンは創設者だったからのそケースとは少し違うとは思うのですが、エリザベート国際の審査委員長を長年努めたおっちゃんが退きます。

http://cmireb.be/cgi?lg=en&pag=1692&tab=87&rec=169&frm=0&par=secorig1677&par2=atvorig0

アリー・ファン・リーズベット(Arie van Lysebethと書くんですけといつも読み方わからない[※注] )は23年間審査委員長としてエリザベート国際を率いてきました。もともとはファゴット奏者なんですよね。意外とも言える楽器のチョイス。

[※注]「アリー・ヴァン・レイズベット」が一番近いと思う、とベルギー在住の日本人の方から情報頂きました。ありがとうございます。

いや、意外とか言って申し訳ありません。でもあまりないように思うんだもん。ファゴット奏者と審査委員長ってなんかうまくイメージがマッチしないよね、そんなことないですか。「じゃあなんの楽器だったらいいのか」と言われると答えに困りますけれど。

優勝者の名前を読み上げたら、発音が悪くて別の韓国人が自分が優勝と勘違い&大歓喜という、凄まじくどっちらけ&ばつの悪い瞬間も演出してしまったこともありました。

↓これなんですけど、心臓の弱い方は見ないことをお勧め。

一応解説しておきますと私優勝?!と勘違いして舞台上で歓喜するかわいそうな韓国人に向かってナムユン・キム(超有名な韓国のヴァイオリン教授、この時の審査員)が「あんたと違う違う!」って一生懸命手を振ってて気の毒。リーズベットもオオゥ・・・って焦っております。

政治家、と揶揄されることもありました。本当かどうかは、聞いたことないのでわかりませんが、政治的思惑で順位を決めているという噂も流れたことがあります。

でも政治力もけっこう重要なんですよね。ピュアな気持ちでコンクールに望んでいる人にしてみれば噴飯ものかもしれませんが、単に本選で他の人より上手に弾けたから優勝、というわけにも行かないのがコンクール。

審査員一同、コンクールには入賞者への責任があるというか、コンクールとして失敗は許されないという思いがありますから、その後活躍できるか?など複合的な理由で優勝を選ばないといけない。優勝者選びは慎重にならざるをえない。優勝したと思ったらアル中になったとかコンクールで燃え尽きたとかで、その後全く活躍しなかった、とかいう例もあるわけですから。

ミュンヘン国際のようにすぐ、一位はありません、とか言っちゃって責任放棄?するコンクールもある。そう、コンクールとは、一筋縄ではいかないのである。(一時ミュンヘンも優勝者を必ず出すという仕組みにしてましたがまた元に戻った感があります。なおミュンヘン国際のこのやり方を批判する気持ちはありません)

というわけでリースベットも批判を浴びながらも、また上記意外の失敗もあったと思うけど、エリザベート国際を高いレベルで維持してきた功績はあると思います。長い間お疲れ様でした。

来年からはやはりベルギー人で音楽学出身の人が審査委員長になるようです。ブリュッセルのコンサートホールとかリール国立管とかを率いた人のようで、1970年生まれ。若い。コンクールも若返りが必要です。硬直してしまっては持たない。そして2022年のコンクールについてはオルガニストでモネ劇場とかエクサンプロヴァンス音楽祭をてがけたやはりベルギー人のベルナール・フォックルールが審査員長をするようです。その後のことはまだ不明みたい。

コンクール運営も楽じゃない。伝統は継ぎつつも、新しい血を入れての若返り不可避。