ディアベリ変奏曲との一時の別れ

というわけで、一週間以上の長きにわたって書いた解説をお読み下さりありがとうございました。

この一見いいかげん極まる解説は、ディアベリ変奏曲を聴いたことがない人、聞いたことはあるが訳がわからないと思って居る人、ディアベリ変奏曲はただただ深いから真面目に聞け、とかたくなに信じて疑わない人などのため(これでほぼ全員が入ってしまうか?)、参考になればと思い書きました。

音楽は、作る方は頭を捻って考えるわけですが、聴く方は感じたままに聴けばいいのです。クラシック音楽を聴く=「勉強モードに突入」という人が多すぎ。気軽に楽しめばいいのに。

芸術に答えはありません。仕事に答えがないのと同じです。

こうやって聴け!と言い出すと、それは単に嫌な上司の発言と同じことになってしまいます。それはいやでしょ?今回の解説も、これが正しいと言っているわけではないです、単なる印象を記述しただけ。だから俺はこう思うとかそういう意見があって当然です。これをきっかけに、かしこまらず、愉快に聴いてくれよな!という感じ(上から目線ですいません)。

音楽への理解は、いろいろな知識を得ることで深まるかもしれません。しかしそれ以上に危険なのは、知識やうんちくは独善への最短ルートともなり得るということです。うんちくは横へ置いといて、感じて下さい。一見とっつきにくそうにみえるディアベリ変奏曲だって同じです。

今週、ローラン・カバッソが来日します。世田谷美術館の森のプログラムというのは、感覚的な曲が多いので気楽に簡単に楽しんで頂けると思います。でも1月19日(火)にJTアートホールで弾くベートーヴェンのディアベリ変奏曲は、全体の作品が巨大なため、どうしても身構えてしまう人が多いのではないかと思いました(だから書き始めたんですよね・・・)。

一曲一曲はとてもシンプルでわかりやすいんです。固くならずに楽しんでください。長い長いといっても、全部聴いても普通の映画の半分にも満たない長さですから。

それでは17日、19日と、都内のどこかで(どこって、決まっていますよね!)、お会いしましょう。