テーマ性をもたせたコンサートが増えてきている(ように思われる)件

いや、あまり適当に結論付けるのはどうかと思うんですけれど、テーマをもたせたコンサートって増えてきていると思いませんか。思う思う。うんそうだそうだ。

ですよね(強引)。

ちゃんと統計をとったわけでもなんでもないんですが、とりあえず増えているという仮定で進めますね。

なぜそういう傾向にあるのか。なぜなら・・・・チケットが売れるからです。逆のことを言えば、普通のコンサートはチケットが売れないのです。話題が必要になっているのです。

昔は、たとえばラフマニノフが弾く、とかホロヴィッツが弾く、とかそれだけでチケットが売れたそうです。最上の例では「リヒテル先生がおらんちの村で急遽明日夜リサイタルをするだってよ!ほらここにポスターが!」というだけで、ダーッとお客さんが集まったようです。「ここはフランスのど田舎なのに、なして演奏会があるだか・・!!」。なぜだろうなぜかしら。

しかし、今やそんな時代ではなくなりました。いま名前だけでお客さんを呼べる人が何人いますか。多分いませんね。アルゲリッチ?ポリーニ?アシュケナージ?バレンボイム?シフ?

現代世界最高クラスと呼ばれる人たちでさえも、客席を埋めることは難しい。ラン・ラン、ユジャ・ワンなど、いわゆるマニアと呼ばれる階層ではない人たちにアピールできるクラスの人たちでも、絶対に安心とは言えない。

ではどうしましょう。ということでその一つの解として、コンサートに意味やストーリーを持たせるわけです。こないだ見ていたエクサンプロバンス復活祭音楽祭のサイトにも「兄弟と姉妹」というタイトルの、タイトルだけ読んだらわりかし意味不明なコンサートが来年あって、なんじゃいなと思って詳細を見たところ・・・出演者が兄弟姉妹でした。カティア&グヴァンスタ・ブニアティシビリ(両者ピアノ)とか、ラファエル&エドガー・モロー(ヴァイオリンとチェロ)とか。

なるほどね・・・。これが面白いと思ってもらえるかどうかはチケットを発売してみないことにはわからないのですが、こうやって目を引くべくみんな四苦八苦しているんだなーと目頭が溶鉱炉のようにじわっと熱くなりました。むしろ溶鉱炉の2016倍ぐらい熱くなりました。

高齢化している、客が減っている、という現実に負けないためにも、世界のみんな、頑張ろうぜ!!エイエイオー!!

・・・いや待てよ。よくよく考えてみたら、はて、私たちが12月18日に世田谷美術館で主催する武満徹ピアノ独奏曲演奏会も、はっきりとテーマ性を前面に打ち出しておりますね。没後20年の武満作品にフォーカスしているじゃないか。これはすごい!面白そうだ!!

と最後はコンサートの宣伝でしめてみる。うん、きれいに決まった、美しい、ブラヴォー!(わざとらしくて、お詫び申し上げます)