黄緑色のピアノにはどんな曲が似合うのか?

蛙のようなピアノだな、というのが真っ正直な印象。

緑色、いやむしろ黄緑色にボディが塗られたスタインウェイ。アーティストのDale Chihulyデイル・チフーリによりデザインされたそうです。それの画像をsteinway UKが投稿していました。投稿されたのはつい最近ですが、ピアノが作られたのは2002年のことのようです。どんなピアノかって?これです。

どうです?「なんだか気持ち悪いな」と思ったら、あなたはアートのセンスがないのかもしれませんよ?なんだかサイケデリック(古い?)な印象。しかしなんというか、どういう印象をお持ちになるかわかりませんが、少なくと「奇抜な色づかい」という点には異論はないと思います。

鍵盤もまさかのオレンジと黄色というすごい色。弾いていて目がチカチカするかな。この色使いの楽器にはどんな曲が似合うかな、と思って画像を前に考え込んでしまいましたが、何が合いますでしょうかね?

クラシックで考えてみると・・・。

バッハの平均律。奇妙なとりあわせだ。ハイドンのピアノソナタ。駄目だな。ベートーヴェンのハンマークラヴィーア、合わなそう。ブラームスの後期間奏曲。たぶん合わない。シューベルトの鱒。ちょっと無理かな。ショパンの子守唄。ギンギンに目が覚めそう。ラフマニノフの練習曲。漂うコレジャナイ感。プロコフィエフの三つのオレンジへの恋。・・・お、いいね!!(いいのか)

いやしかしピアノの色で曲についても受ける印象が変わるものですね。面白い。

こういう頑張っちゃったデザイン系のピアノって、時間が経てばどんどん古臭いイメージになってしまうのがほとんど(年月を越え、永くいいなと思わせられるものが出来ることはめったにない)のがかなしいところ。このピアノも、時間が経つほどに古めかしくなるんだろうなと思うとなんだか残念な気がします。いわゆる普通のピアノの色、黒、というのはたぶん、シンプルで飽きが来ない「いい色」なんですよ。

スタインウェイは何度もいろいろな会社に売却されたりしている、ということはつまり経営が苦しいということですが、こういうデザイン系のピアノを作って、経営危機からの脱却を・・・直接的に目指すというたぐいのものではないでしょうけれど、間接的にブランドイメージを高めることを狙っていることには間違いありません。

このページに、今日のこのピアノを含む、デザイン系のピアノの写真が何枚か掲載されています。

FSU to host concert featuring rare Steinway piano collection

はたして、デザインされたピアノで、メーカーのイメージが高められるのかどうか・・・今日は金曜日ですし、月曜日は休日・・・・。普段よりも長い週末の間、頭を悩ませたいと思いました。それではみなさまもよい週末を。