アルゲリッチの名前を冠したコンクールが開催(スペイン)

マルタ・アルゲリッチがコンクールを始める、という見出しにつられてたどり着いたコンクールがこれです。

Vigo Piano Competition:
http://www.vigopianocompetition.com/

確かにアルゲリッチが審査委員長になっている。しかも審査員にフレイレとティエンポが入っていて、明確にアルゲリッチファミリーであります。あとはヴァーシャーリと、知らないスペイン人の名前がある。

このスペイン人が怪しいなと思って調べてみましたところ、出ました。このコンクールを開催する街、スペインのビーゴという街で学んだというピアニストでした。そして、しっかりとヴァーシャーリのお弟子さんでした。

つまり構図としては多分こういうことなんだと思うんですよ。以下は全部、適当な推測ですけど、そんなに間違いはないと思っています。

・・・ビーゴの街で学んだ、そこそこのピアニスト(失礼!)がいました。そのピアニストが、街の有力者、権力者と仲良くなった。有力者は、芸術家と仲良くなることを好みますからね。また芸術家も、有力者にすり寄って、お金(助成金)を手にしたいと思うことがしばしばありますから今回もおそらくそのケースでしょう。

有力者とピアニストは意気投合した。そして町おこしに何かせんければ、ということになった。であればコンクールか、という話になり、そうだそうだ、ということになった。でもピアニストは自分の名前だけでコンクールを開催しても人は集まらないし、注目もしてもらえない。であれば、、と考えた。有名な教育者やピアニストを連れてくればよい。まずは自分の教師であるヴァーシャーリに頼んで了解を得た。

そして同時にアルゲリッチにも頼んで了解を得た。アルゲリッチを前面に押し出すことで、コンクールとして注目をしてもらおう、という思惑である。以上。(アルゲリッチは昔は審査員は大嫌いだったはずなんですけれど、最近はいろいろなところに出てきていますね。考えが変わったのかもしれませんね。しかし審査委員長っていうのはなかったかほとんどないのではないか。)

なお、ピアニストはアルゲリッチに審査委員長の椅子に座ってもらうのみならず、アルゲリッチと親しいネルソン・フレイレとセルジオ・ティエンポに入ってもらうことにも成功。ラッキーなことに審査員集めは簡単に終わった。

かくしてコンクールは走り出したのである・・・・。思惑は当たり、東洋の小さなブログでもこうして採り上げられることに成功したのだ・・・・。終わり。

このピアニストはどうしてアルゲリッチとつながっていたのか、という疑問はありますけれど、アルゲリッチというのは、ローマみたいなものです。すべての道はローマに通ずという言葉がありますが、ピアノの世界においては、すべての道はアルゲリッチに通ず、なのです。つてをたどってアルゲリッチにたどり着くのは難しいことでもなんでもありません。かくいうこのブログの筆者も、アルゲリッチと何回か話をしたことがあるし、アルゲリッチのおうちに行ったことも何回かあります(ただそれだけだけど)。アルゲリッチとは、クラシック音楽界におけるローマ、あるいは太陽のような存在なのです。そこに人は集まる・・・。

というわけで、日本のみなさんも、ぜひアルゲリッチコンクールへの参加をご検討下さい。2019年4月16-20日までです。ビーゴはスペイン最大の港町だそうです。お魚もきっとおいしいよ。

コンクール公式サイト:
http://www.vigopianocompetition.com/