現役指揮者100人に聴いたオールタイム・ナンバーワン指揮者は誰?というネタ

BBCミュージック・マガジンのサイトに上のタイトルのような記事が出ていました。

現役のトップ指揮者100人がそれぞれ自分の最も尊敬する指揮者3人を選んでいる。現役100人って誰かって?よくこんなみんな協力してくれたよね、とちょっと驚くそのリストは、ここをご覧下さい。トーマス・アデスとかいきなり出て来て、えっ?とか思いますがまあとりあえず細かい事はおいておきましょう。

あれ、アーノンクールとか、既に亡くなった人もアンケートに答えているのはどうして?それはこの企画「Who are the maestros who inspired today’s greatest conductors?」(現役最高の指揮者たちが影響をうけたマエストロは誰だ?)が2011年のものだからですよ。

そしてどうやらそもそもの企画、「自分の好きな指揮者3人を挙げてもらうという」(順位はつけていない)というもので特に集計はとっていなかったようなのですが、しかしどうして今頃になって集計したんでしょうね。暇だったからですかね。・・・む、さては、ほとぼりが冷めた頃になって、集計したなっ!!(単なる言いがかり)

というわけでこのリストの栄えある第一位に輝いたのは誰だと思います?

そりゃもう間違いないよ、という名前がずらっと下から来てますけど、あとイギリスの雑誌だからかイギリス人が多いような気もしますけれど、第一位は・・・

・・・ああ・・・カルロス・・・。

そう。息子クライバーことカルロスクライバーでした。

1. Carlos Kleiber (1930-2004), Austrian
2. Leonard Bernstein (1918-1990), American
3. Claudio Abbado (1933-2014), Italian
4. Herbert von Karajan (1908-1989), Austrian
5. Nikolaus Harnoncourt (1929-2016), Austrian
6. Sir Simon Rattle (b1955), British
7. Wilhelm Furtwängler (1896-1954), German
8. Arturo Toscanini (1867-1957), Italian
9. Pierre Boulez (1925-2016), French
10. Carlo Maria Giulini (1914-2005), Italian
11. Sir John Eliot Gardiner (b1943), British
12. Sir John Barbirolli (1899-1970), British
13. Ferenc Fricsay (1914-1963), Hungarian
14. George Szell (1897-1970), Hungarian
15. Bernard Haitink (b1929), Dutch
16. Pierre Monteux (1875-1964), French
17. Yevgeny Mravinsky (1903-1988), Russian
18. Sir Colin Davis (1927-2013), British
19. Sir Thomas Beecham (1879-1961) British
20. Sir Charles Mackerras (1925-2010), Australian

いやあ、こういう結果をみるとすぐになんだかんだと言い出すのがクラシックファンのいけないところですね。「ライナーやミュンシュが入っていないのはおかしい」だとか、「チェリビダッケは?」「クレンペラーは?」とかもう、みんな何か言いたくてしょうがない。だめですよそんなこと言っちゃ。

ひどいのになると「そもそも集計が間違っているオザワが入っていないぞ」というのもありました(よくカウントしなおしたな・・・暇な人だな・・・)。あなたのそのカウントあってるのかな、と思いましたけど、確かにOzawaを選んでいるひともそれなりにいるんですよね(準・メルクルがオザワと書いているのには微笑しましたけれど)。小澤征爾先生、頑張れ!!

私はあるベルリン・フィルのクラリネット奏者(仮にK.L.氏とだけ書いておきます)から「セイジはシンフォニーコンダクターとしては文句なく素晴らしい」と聞いたことがあります。ウィーン国立歌劇場のコンサートマスターが「もっとウィンナワルツを勉強しないとダメ」とニューイヤーコンサート直後に毒づいたという話も聞いたことがあります。こちらは下げ下げな話なので誰とは申しますまい。

ところでカルロス・クライバーってキャンセル魔で怠け者でその名声に比して全然コンサートも録音もないんですが一曲だけピアノ協奏曲の録音があるんですよね。しかもドヴォルザークのピアノ協奏曲というとてつもなくマイナーな曲をリヒテルのたっての願いで・・・。さらには録音に満足していなかったとも・・・。

いや、本当はもう一枚、ミケランジェリとも録音をする可能性があったんですよね。両者ノリノリで、対面まではうまくいったが、録音の途中だったか打合せ中だったかにミケランジェリが切れて帰っちゃってご破算になったんでしたね。

ミケランジェリとカルロス・クライバーの組み合わせ聴いてみたかったですよね・・・。

なおこの記事によればカルロス・クライバーが人生でオーケストラコンサートを指揮したのはたったの96回で、オペラは400回ほど指揮した、のだそうです。本当か。少なすぎる。