世界最速、ということについて

世界最速、というとなんだか格好いいですよね。二番じゃ駄目なんですか?はい、駄目なんです。

しかし芸術の世界において世界最速という事に何か意味はあるでしょうか。あるいは世界最遅でもいいのですが、そういうことに何か意味があるでしょうか。

指が回る、ということは大切なことです。技術がなければ表現は出来ません。また、ポリーニのように今や指が全然回らなくなった、という事になっても悲しいです。年は取りたくないものです。

こないだから少しだけ、本当にほんの少しだけ話題になっているこのおっちゃんは、カンフースタイルで世界最速のピアノを演奏するそうです。まずはこのYouYube動画を御覧ください。

カンフースタイル・・・。と聞いただけで怪しい。むしろものすごく怪しいんですが。そしてこの作務衣風の衣装は怪しすぎる・・・。

2014年には日本にも来たとかいう噂を聞きますが、実際どれほど盛り上がったのかはわかりません。

日本語で読めるインタビューもあります。
https://jp.residentadvisor.net/features/2422

この世界最速のおじさんが、なんとSonyからCDを出しちゃったというから驚きです。今月頭にリリースされたようですよ。Sonyも酔狂なことを・・。でももしかすると怪しいのは見た目だけで、素晴らしい演奏をされるのかもしれませんよね。
イギリスのアマゾンでサンプルを聴くことができるので、それを聞いてみました(買う気にはなれない)。Sunestという曲がわりかし速めの曲ですが・・・これが世界最速かどうかと言われると「わからない」としか答えようがないです。

多分、もっと早い人はいます。問題はいかに速く弾くかではなくて、速く弾ける技術を使って何を表現するかです。

というわけで皆様おやすみなさい。みなさん、今夜も良い夢を。世界最速の夢ではなくてもいいですよ。