ゲオルグ・ショルティの記憶力

ゲオルグ・ショルティ、偉大な指揮者の一人に数えられる巨人。カラヤンよりも若干若く、最後の巨人と言われることもあった偉大な指揮者でした。ショルティはピアノがとても上手だったんですよ。

ジュネーヴ国際コンクールで優勝している。

YouTubeにショルティがピアノ弾いてるのないかなと思って探してみました。音だけですが、弾きぶりがありました。めっちゃアグレッシブ!

ショルティの最後のインタビューをしたというノーマン・レブレヒトがそのインタビュー全文?を自分のブログに載せていました。面白かったですね。以下にあります。

Solti: The last interview (don’t mention the ladies)

12歳でリスト音楽院に入ったとか、バルトーク「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」初演の時には譜めくりをした、とか書かれていてそれも面白い。しかしもっと面白いことが書いてありました。記憶、暗譜に関する部分です。

音楽家として鳴かず飛ばずだったのが、ジュネーヴ国際コンクールピアノ部門で優勝したことで有名になって行ったというのは有名な話ですが、コンクールファイナルの時の恐ろしい様子が少し語られています。

・ベートーヴェンの110のソナタ(第31番です)のフーガを、本選直前に練習していて、記憶が飛んでパニックになった。体調が悪いから弾きませんと言おうとしたが誰もいなかったのでそのまま弾く羽目になった。あんな恐ろしい思い出はない。

と言っているんですよ。いや、これ、実によくわかる。フーガは覚えにくい、ベートーヴェンのあのフーガは本当に覚えにくい。わかるわかる。ショルティでもそういう事があるんだなと思いましたよ。

“You know how hard it was for me?” he demanded. “I have no visual memory. Unlike Karajan and others who can turn a page and fix it in their minds, I have to learn bar by bar, and tone by tone.

自分にとって何が大変だったかっていうと、ビジュアルメモリーがなかったことだ。カラヤンたちは頭の中でページをめくって、それを文字通り見ることが出来た。私は小節ごと、音ごとに覚えていかないといけなかった。

上記ノーマン・レブレヒトのブログより。

ビジュアルメモリー、私も欲しかったです。アルトゥール・ルービンシュタインとかも、楽譜は写真のように頭の中に入っていて、このページの右隅にはコーヒーのしみがあるというようなところまで浮かんだそうですよね。うらやましい。絶対音感よりも、ビジュアルメモリーの方がどちらかというと欲しい。

ビジュアルメモリーというものが一体どういう風なものなのか、うまくイメージがつかめないのですが、持っている人はどんな感じなのか教えて。