ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲、初演者による録音

「ラヴェルの左手」という、左手のためのピアノ協奏曲を指します。戦争で左手を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインのために書かれた曲です。そうそう、ヴィトゲンシュタイン、論理哲学論考を書いた人ね。「語りえぬことについては沈黙せねばならぬ」、な。・・・ってそれは弟じゃー!お疲れ様でした。

ラヴェルはヴィトゲンシュタインの演奏にはまったく満足しなかったそうです。初演に満足できなかったラヴェルが文句を言うと、ピアニストは作曲家の奴隷ではない、とピアニストは言い、作曲者は、ピアニストは作曲家の奴隷である、と言い放ったとか。ただ、後にヴィトゲンシュタインが意見を変えて、オリジナルで演奏するようになった・・・とか。

・・ということは過去にどこかで読んで知っていましたが、しかし、実際のヴィトゲンシュタインの演奏を聴いたことはなく、どんな感じだったのかなと思っていました。

昔はレコードショップに行かないと音は手に入れられなかったんですが、いまはネットで聴ける。便利。

インターネットで聴ける音の音質はなんたらかんたら、というご意見があることも承知しておりますが、まあそれはそれとして、世界中の古い録音があふれています。CD屋さんがなくなるのも当然です。

それで、このたび知ったんですが、「パウル・ヴィトゲンシュタインの演奏がYouTubeで聴ける」んですね。オーケストラはブルーノ・ワルター指揮コンセルトヘボウ管。録音は1937年だそうです。初演は1931年だからその6年後。これ。おもしろい。

ヴィトゲンシュタインの演奏については、やばい、下手だ、勝手に曲を改変している、とか散々に言われていますが、確かに間違いは相当多いし、いい演奏とは言えませんが、そこまでけちょんけちょんにけなすほどひどくもないかな?と思ってしまいましたが、どう思われますか。ていうかコンセルトヘボウだってさほど素晴らしい演奏をしているわけではないです。・・・要はだめな演奏だったということか。・・・やっぱり。