オーケストラが公演に来なかったら。

エレーヌ・グリモーが協奏曲を弾く予定になっていたのですが、会場にオーケストラが来なかったらしいです。

なんということか。

話を読めば人災では無くて天災ですね。天候不順でハンブルク空港から飛行機が飛び立てなかったので、オーケストラがコンサートに間に合わなかったという話なのです。

このネタの出所はノーマン・レブレヒト。このページ

間に合わなかったのはオーストラリア・ユース・オーケストラ。オーストラリアというのが不思議。オーストリアじゃないよ。指揮者はマンフレッド・ホーネック。ちょっとおもしろそうですねこのオーケストラ、今度また調べてみよう。

話がずれました。おじゃんになったのはこの公演です。

人生長いからいろいろあるよね、とは言いますが、当事者にとってみれば、その瞬間は地獄のような時間のように思うのですがどうでしょう。

案外、どうしようもないから、どうしようもないよね、とか言ってるかもしれません。

信用、スケジュール遵守が何よりも第一!という、日本のような国ですと飛行機が飛ばなかくても、這ってでも来いや!!そもそもギリなスケジュールを組んだのは誰だ!責任者呼べ!!という話にもなるかもしれませんが(いや、絶対なるな・・・)、話の舞台はドイツです。ドイツ人は意外と、というか、かなりクール。

こういう時は、まあだめなものはだめだね、じゃあどうする、とか冷静に会話がなされていたのではないかと想像します。

グリモーも、オーケストラが来ないならリサイタルにしてもよかったのかもしれませんが(よくはないか)、彼女が選択したのは、友達を呼ぶことであります。チェロのヤン・フォーグラーを捕まえて、本当にラッキーな事に、フォーグラーが物理的にいける場所にいて、スケジュールもあいていたんでしょう。

フォーグラーがやってきて、デュオを演奏したそうです。

協奏曲(ブラームスの第2番が予定されていたそうです)じゃないといやだ、という人は、払い戻しを受けられたそうです。払い戻しする人もきっといたでしょう。でもだいたいの人はグリモーが目的ですから、グリモーが弾くならいいや、と思って聴いていったんではないかと想像します。

チケット代も65ユーロから20ユーロまででしたから、リサイタルだったとしてもそもそも金額は同じようなものでしょう。

おもしろい。