クラシック音楽ビギナーのためのガイド(テレグラフ紙版)

クラシック音楽は敷居が高いです。そんなクラシック音楽にタックルをかけようとするビギナーの方々のために、これまでに数々のガイドが書かれてきました。

曰く、クラシックは難しくない。曰く、クラシックは簡単である。曰く、クラシックは・・・。

だいたいうまく行きませんね・・・。

クラシック音楽は、なんだかんだ言って敷居が高いです。そして、クラシック音楽の演奏会に出没する音楽通も、簡単な人たちではない場合が多いかもしれませんね。

というわけでイギリスの新聞、テレグラフ紙がちょうど一年ぐらい前に作成したガイドがありましたので読んでみました。10項目にわたって書かれています。

1) Get a decent sound-system ちゃんとしたオーディオを買う
2) Listen to BBC Radio 3 BBCのラジオ3を聴く
3) Follow your enthusiasms 大好きな人について掘り下げる
4) Find a personal connection 自分との接点を見つける
5) Get an overview ガイド本などを読む
6) It’s not just Lang Lang ラン・ランだけではありません
7) Hear it live コンサートで聴く
8) Find other enthusiasts 仲間をみつける
9) Go to a summer festival 夏の音楽祭へ行く
10) Things to avoid さけるべき事

http://www.telegraph.co.uk/better/culture/how-you-can-get-into-classical-music-a-beginners-guide/
並んでいる項目を読んで、中身が気になったら上のURLをクリックして全文をお読みください。

いやしかし最後の「さけるべき事」という項目に、イギリス的なユーモア、皮肉が効いているようでした。というわけでここだけ訳してみます。

10) Things to avoid

The audiophiles who say you can’t possibly enjoy classical music without spending £2000 on a sound-system.

The jaded connoisseurs who totter sadly out of a concert, shake their heads sadly and say “well, not bad, but really not a patch on Horowitz’s recording from 1958”, or whatever.

Purists of every stripe – the early music purists who say you can’t play Rameau on the piano (because he wrote his keyboard music for the harpsichord), the ‘contemporary music’ devotees who look down on people who just like a good tune, the high-minded types who scorn encore pieces because they’re not serious enough.

・2000ポンド(約30万円)以上はするオーディオセットを買わないとクラシック音楽はわからないよと言うオーディオマニア

・コンサート後ふらつく足取りで手を振りながら「悪くはなかったけど、でもホロヴィッツの1958年の録音には全くかなわないな」とかそういう事を言うくたびれきった愛好家

・純血主義者たち:「ラモーの鍵盤作品をピアノで弾くなんて無理。チェンバロのために書いたんだから」とか言う人たち。あるいは美しいな旋律を見下す現代音楽愛好家。アンコールで演奏される曲を、真面目な曲じゃないからと小馬鹿にするひとたち。

人はどうしても他人よりも優れていたいと思う生き物ですが、そういうプライドとか、なるべく捨てて楽しくやろうぜ、ということですよ。ホロヴィッツの1958年の録音は最高だがな(・・・・何の録音のことだろう?)。