ニューヨーク・フィルの新しい賞、第1回目はベンジャミン・グローヴナーへ

ニューヨーク・フィルのサイトを見たところ、あっ!と私は驚きました。ロゴが変わっている。

・・・じゃなかった。新しい賞が設けられ、その最初の受賞者がベンジャミン・グローヴナー(24、英国)になった、というニュースがあったのでした。

そうそう、ロゴも新しくなっていたよ。がたがたしていて面白いですね。ところでロゴの製作ってものすごいお金と時間がかかるそうですね。このロゴにも莫大な金額がかかっているのだろうかと思うと、ついついブルってしまう我ら。

東京オリンピックでは盗作騒動がありました。さすがにオーケストラのロゴには盗作とかそういうトラブルは余りないのかもしれませんが、ニューヨーク・フィルならそのあたりもきっちりと処理している、はず。

ベンジャミン・グローヴナーをお聴きになったことがありますか。多分2回ぐらい来日している。生で本人を見たことがありますが、意外に背が低い。170cmないのではないか。が、しかし、音が大きい。

ホロヴィッツはかつてヴァン・クライバーンの事を指して「音が大きい」と褒めたそうですが(多分褒めている)、音が大きいことは、いいことです。特にグローヴナーのように小柄でありながら大きい音が出るというのは、とてもいいことです。

身体の小さい人はどうしても音量も小さくなり、無理に大きな音を出そうとすると、力任せになって音が痩せてしまう傾向があります。グローヴナー?そんな心配は無用さ!でかくてリッチなサウンドでガーン!だぜ?

というわけで、どうしてグローヴナーが選ばれたのか、選考基準などは公表されていなそうなので判りませんが、ともかくめでたいことです。

この賞はRonnie and Lawrence Ackman Classical Piano Prize at the New York Philharmonicという賞です。長い。略してAckman Prize と言いまして、アックマンさん夫婦ご提供の賞という感じ?夫のアックマンさんはニューヨーク・フィルにおばあさんの世代から長く貢献している人で、ピアニストでもあるそうな。ほーさよか。

この賞は3年に一度、1人のピアニストに与えられるそうです。賞金30,000ドルに加えて、ニューヨーク・フィルとの共演、メンバーとの室内楽、アウトリーチ、教育活動、さらに「クラシック音楽のアンバサダーとしての活動」というのもあります。これはスポンサーのパーティーとかに出なさいよというような事でしょうかね。

ただ単にお金とコンサートのチャンスを受け取って終わり、ではない実にアメリカ的な内容。責任も重い。ピアノを弾く以外は何がなんでも絶対にやらない、という人には向かない賞ですね。でも受けたのだから、グローヴナーにはやる気がある、ということでしょう。

グローヴナーがんばれぇ、しっかりぃ!(黄色めの声で)