困難に直面するオーケストラ

スティーヴン・ハフのコンサートが「オーケストラのスト」によりキャンセルになったと聞いて、フォートワース交響楽団のページを見てみました

うん、スト続行中。トップページにストについて詳しくはここを見てねと書いてあります。アメリカは何でも分析して開示するのが好き。事務局側がオケのミュージシャンに提示している年俸も書かれていました。全部はここからご覧下さい。

しかしこの年俸は・・・多いか少ないか・・・。

ソリストではない普通の団員の(平均の?)2015/16シーズンの年俸が$54,953とありますから現在のレートで550万円ぐらい。首席奏者は$68,695なので690万円ぐらい。うーん、苦労してなる職業なのですが、あまり多いとは言えないですかね。オーケストラの団員は教えたりしてそれで収入アップをしているのでしょうが。(ちなみに日本のオーケストラはこれよりも安いところが多いんじゃないでしょうか)

クラシックの音楽家になるには小さな頃からひたすら練習に励んで、レッスンに通わなければなりません。レッスン代は、もちろんピンキリですが、ちゃんとしたプロ演奏家や大学教授の場合は相当な高額。日本ですと音大、芸大の教授のレッスン代は1時間1万円以上するのが普通。高い人は1時間3万円とかする場合もあります。そして楽器も高額。特に弦楽器は上をみたらきりがありません。そう考えると、もうちょっと年収高くても・・と思うのですが、なかなか厳しい。

ところでオックスフォード大学出版局のページに、2007年とやや古いですがアメリカのオーケストラの報酬一覧がありました。ソースは書かれていませんが。これを見るとそして最も高かったのは・・・・メトロポリタン歌劇場の$125,320!(1,300万円弱)。なるほどそうだったのか。そのほかニューヨークフィル、ロサンゼルス・フィルなどいわゆる5大オーケストラと呼ばれるメジャーなオケはどこも高額ですよ。

反対に一番安いのはヴァージニア交響楽団の$24,750。うーんこれは少ない。生活するのも困難なレベル。共働きか、オーケストラ以外の仕事が必須。

ピアニストも大変ですが、オーケストラも厳しい職場ですね。