出演者が二極化する現象、ルツェルン音楽祭の「神童」シリーズ

ヨーロッパでは人材の二極化すなわち低年齢化と超高齢化が一つのトレンドになってきているのではないかと思うのです。興味深いですね。

本日も、ルツェルン音楽祭の今年のシーズンプログラムを見ていて、Wunderkindという文字に目がとまりました。神童という意味のドイツ語ですが、これがデビューシリーズの一環に組み込まれている。

出演している人を見ると、2003年生まれだとか2005年生まれだとか書いてあります。若い。若すぎる。その若さがうらやましい。

例えばこの人。Dmitry Ishkhanov。2005年2月15日生まれ、明後日で13歳。

https://www.lucernefestival.ch/en/program/dmitry-ishkhanov/780

最近の映像は例えばこれ。時々指のもつれが気になるんだがちゃんと弾いてます。

・・・演奏も気になるがむしろ一列目のおっちゃんも気になるぜ。

モーツァルトやベートーヴェンが幼少の頃から演奏旅行に明け暮れていたとかいう事はよく知られていますが、現代のこのコンサートシーンに(しかも世界トップレベルの音楽祭に)こういう子どもたちが出てくる事に若干の違和感を感じるのは感覚が古いからでしょうか。

すごい、今年はベルリン・フィルハーモニーにウィーン楽友協会にアムステルダム・コンセルトヘボウで演奏する、だと?

こういう子達が次々と現れては消費されて消えて行くんだとするとそれはそれで問題ですよね。神童は次々と出てくる。なので、若いときにぱっと出ても長続きしないケースが多い。

いや、ぱっと出してもらえるだけいい、チャンスがあるならなんだって!という考えも、もちろんあるよね。その通りだ。最近では誰だろう。ダニエル・ロザコヴィッチ(ヴァイオリン)が神童からスター枠へと、出てきていますかね。ピアノでは・・・・この子にその可能性が開かれている・・のか?

そしてこの反対に超高齢化する現象も起こっております。巨匠と呼ばれる人たちがいつまでもお元気!そう、ピアニストでも、90歳を超えてベルリン・フィルにデビューしたり、ドイツ・グラモフォンからCDをリリースするメナヘム・プレスラーのケースは今最も話題になっているケースですし、ものすごいことだと思います。

しかし若くもなく年寄りでもなく、という中間の、大人たちがもう少し目立った感じになってくれたら嬉しいのにと思うのですが、なかなか難しいでしょうかね。

・・・マーケティング的にも大人はあまり難しいかもしれないですからね。腹の出たくたびれたおっさんなんて、見た目もよろしくないですしねえ(特定のだれかをイメージしての発言ではありません)。いや本当はそういうおっさんがものすごい演奏をしたりするんですよ(太った中年ピアニストだからといってすごい演奏する保証もないけれど)。